入社27年、飲食一筋。営業部長が語る飲食業界と満福屋の未来とは
written by ダシマス編集部
九州で50年以上にわたって体験型お好み焼レストラン「どんどん亭」を中心に複数のブランドを運営しているMiコーポレーション株式会社。
『目の前の人に”うまい”を! 九州から”満福”を!』をコンセプトに、子ども連れでも大人数でも、誰でも価格を気兼ねすることなく通えて、お腹いっぱいになるまで団欒できる居場所。
お客様だけではなく、働くクルーも真っ当な対価を得て活き活き働ける居場所。そんな居場所を作り続けることで、まっすぐに成長していく会社。
そんなMiコーポレーション株式会社では、お客様からクルーまであらゆる人のお腹と心を「満福」にする会社として、小さな幸福の輪を仕掛けています。
今回取材するのは、常務取締役営業部長の有延(ありのぶ)さん。
会社の約四半世紀にわたり歴史を共にしてきたからこそ、お好み焼を中心にこれからどんな会社に変革していくのか、そして働く仲間への想いを語っていただきました。
・飲食業界で働く、働きたい方
・長年愛され続けるお店の秘密に迫りたい方
・どんどん亭に興味がある
そのような方は特に、必見です!
有延 真(ありのぶ まこと)
入社歴:27年
部署:営業部
出身:福岡県 築上町
趣味:スポーツ観戦全般、全国の野球場めぐり、お笑い鑑賞
飲食業界で働くことが夢だった
ーー簡単に自己紹介とこれまでのキャリアについて教えてください。
1997年に入社したので、今年(2024年)で社歴は27年です。
入社以来、一般社員から店長や当時新業態の店長、地区長、課長、部長を経て、現在は常務取締役営業部長を務めています。
ーーMiコーポレーションに入社することとなったきっかけを教えてください。
学生時代から飲食のアルバイトを経験していく中で、「必ず飲食の仕事に就こう」と決めていました。
もっと言えば、小さな頃から持っていた夢のような想いもありましたね。
そのため、就職活動では飲食業界に絞って探しており、その一つが今の会社です。
地元九州・福岡に根ざし、全国展開していないところが、自分にとても合っていると感じました。
ちなみに、当時私の地元や学生時代を過ごした長崎にはどんどん亭がなかったので、実はどんどん亭自体を知らなかったんです。
そして何より、「お好み焼」が庶民に愛されるアイテムであることに大きな魅力を感じ、どんどん亭に一目ぼれしたのを覚えています。
ーー現在どのような役割を担っていますか。
営業部の責任者として、売上や利益の目標を達成するために日々努力しています。また、事業戦略の策定や人材育成などにも関わっています。
人の心を磨き、もっと愛される企業に。
ーー入社されてから会社や働き方はどのように変化していると感じますか。
一番の変化はシンプルに「店舗数」が増えたことです。倍以上増えています。
私が入社当時のどんどん亭は20店舗余りでしたが、現在は46店舗(2024年11月現在)になりました。また、お好み焼以外の業態も増えた分、様々な仲間も増えました。よって、増加する店舗数に伴い売上も伸び、新たな仲間が増えることでさらに活気ある環境になっていきました。
あとは店舗数と業態が増えたことで、専門職の人材も増えましたね。
私が店長の頃は店舗の営業以外に、販促の提案や業績・数字の管理のためにパソコン内で独自のフォーマットをつくったりしていたんです。しかし今は、マーケティング担当、デジタル関連の担当なども配置しているため、営業部のメンバーは店舗の営業に集中することができています。主たる業務に集中できていることは、非常に重要なことだと考えています。
ーーコロナ禍を経て会社として何か変化はありましたか。
私自身の話ですが、当時新業態の店長を任せていただいたことがあり、結果としてはうまくいかなかった経験があります。努力したものの、課題が明確になり、自分の成長が必要だと痛感しました。そのことから集客面、設備面だけではなく自分自身の心の準備の大切さを学べました。コロナ禍は私たちだけではなくほとんどの会社が大変だったとは思いますが、私自身はこれらの経験と通ずる部分があり、
「お客様は当たり前に来てくださる訳ではないこと」
「誠実なサービスを提供し続け、使命を全うしていればお客様は来てくださること」
ということを改めて気付かされる機会でもありました。
そんなコロナ禍でリブランディングを行い、「満福屋」としてまっすぐに成長していくために、基礎となる土台(QSC)をしっかりと維持向上させることに努めています。そして、小手先ではなく重要なのは誠心誠意、真面目さなどを欠かさないことです。正直、まだまだ満福屋としてお客様や従業員に対しての理想の形にはできていませんが、時間がかかるものだと思って日々、成長していきたいと考えています。
ーー飲食業界が存続・成長するための鍵はなんだと思いますか。
生産性ですね。
材料費も人件費も高騰は避けられません。だからこそ、一つひとつの仕事を丁寧に、確実に行うことが大切です。
ーーこれからも長く地域に愛される企業になるためにどのようなことが必要だと思いますか。
繰り返しにはなりますが、「生産性の向上」はやはり大切です。
弊社でも機械やロボットにできることは躊躇なく移行しています。例えばペーパーレスを推進し、報告、申請、承認などはシステム化していっています。紙のマニュアルを廃止し、商品を運ぶ配膳ロボットも導入中です。しかしあくまでもこれらは、効率化とも言えます。
そのため、地域に愛される企業になるためには「お値打ちの追求」に尽きると私は考えています。
これまでも状況に応じて商品価格の値上げを実施させていただいていますが、これからも原材料費、人件費の高騰で値上げは避けて通れません。
しかし、その価格に見合った商品力、つまり「お値打ち」があれば、お客様はどんどん亭に足を運んでくださるはずです。お客様が求める以上の価値を提供し続けることこそが必要ではないでしょうか。そのためにも商品力の維持、向上が必要です。
そして何よりも大切なことは、人にしかできないこと、人がしなくてはならないことを磨き続けることが必要です。仕組みやオペレーションを磨くことだけではなく、人そのものを磨く。すなわち心を磨くことが前提になっていなければなりません。
弊社は、一人ひとりの想いがしっかりと会社に届きます。だから私は社員、パートアルバイト問わず、入社時のオリエンテーション(事前説明会)で心構え、心の在り方の説明に力を入れています。
ーーこれからのどんどん亭の成長戦略を教えてください。
まずは鹿児島県と宮崎県に出店することで九州全県出店を果たし、各地域の方々のご支持を得たいですね。一方、今までの郊外型店舗とは違った都心部への出店も実現していきたいです。
心を磨くことで、お客様もクルーも満福に。
ーー有延さんにとって、安定した会社とはどのようにお考えでしょうか。
トップの判断基準がブレない会社です。
柔軟な対応力は、明確な判断基準があってこそ成り立ちます。
「社員の定着率が高い会社=安定した会社」ではないと私は感じます。定着率が高いことは、居心地がよい、ということになりますが、いい意味の居心地がよい(やりがいがある、見てくれている安心感、承認してくれる、本気で叱ってくれる)と悪い意味の居心地がよい(誰も注意をしない、惰性に陥った環境)が存在するからです。
その点から弊社は「トップの判断基準がブレない」会社だと自負しています。
会社のトップは社長ですが、部門のトップ、課のトップ、エリアのトップ、店舗のトップ、それぞれにブレない意思があります。そして、その意思のために「心を磨くこと」をこれからも続けていきたいと強く思っています。
ーー働き方についてはどのような部分が変化しているように感じますか。
「連続(リフレッシュ)休暇」は飲食店としては大きい変化ですね。
月曜日〜金曜日の、連続する5日間休暇を半年に1回とっていただきます。近隣店舗から応援を出すことが多いのですが、この持ちつ持たれつな関係が非常に良いアクセントです。
助け合いの精神が自然と生まれるのも、この制度の良い面です。この連続休暇は、1年間の中で計画的に進め、進捗確認をすることで取得率は現在100%です。仕事にも休暇にも、100%の力を注いで欲しいという気持ちは強いですね。
もう一つは、「地域限定職」の導入です。どうしても個人の都合や事情で拠点から動くことができない、または地元を離れたくない、などの理由で、引越しを伴わない「地域限定職」を選択している社員も多数おります。個人のライフスタイルに合った働き方を尊重しています。
他にも、社員の健康推進のための禁煙手当や、2年前から外国人の社員採用も積極的に進めています。
ーー従業員の幸せに向けてより今後、取り組んでいきたいことはどのようなことですか。
仕事、取組みに対する成果や報酬を満足するものに引き上げるためには、やはり業績を伸ばすことです。店舗の最前線、営業の責任者である私の使命。その中でも常に「心を磨く」ことを着実に進めていく所存です。
ーー最後に、貴社で働くことを検討している求職者に対してメッセージをお願いします。
弊社は創業50年を超えましたが、伝統を大切にしながら、新しいことに挑戦するバランスが取れている会社です。人には様々な能力があります。あなたのその能力を弊社で発揮していただきたいと願っています。
まずは、ぜひ一度、どんどん亭でお食事をしていただき、お客様としての体験をぜひ味わってみてください。お好み焼を普段あまり召し上がらない方もいらっしゃるかもしれませんが、鉄板を囲んでみんなで楽しむひとときは格別です。
私たちが提供する感動を直接感じていただくことで、弊社の価値観や魅力を理解していただけると思います。いつでも、お待ちしております。