飲食店新卒入社7日後に緊急事態宣言。休業と共に始まった私たちの社会人デビューは悪いコト2割、良いコト8割!
written by ダシマス編集部
藤原 信一郎(ふじわら しんいちろう)
熊本県出身。農業高校卒業後、株式会社タケノへ2020年新卒入社。その後、竹乃屋 吉塚店へ配属。趣味は釣りとゲーム。アウトドアでもありインドアでもある。#イマドキ男子#早起きが苦手
佐々木 珠里(ささき じゅり)
埼玉県出身。佐賀県の家庭科系高校を卒業後、株式会社タケノへ2020年新卒入社。その後、竹乃屋 吉塚店へ配属。映画が大好き。時間があれば映画を見たい。#イマドキ女子 #早起きが苦手
倉本 直征(くらもと ただゆき)
宮崎県出身。竹乃屋 吉塚店の店長。パティシエ、一般企業での営業を経験後、株式会社タケノへ中途入社。夢は自分のお店を構える事。得意料理はデザート。
福岡博多を中心に32店舗の「居酒屋・竹乃屋」を運営する株式会社タケノ。
小さな焼き鳥屋1店舗から始まった株式会社タケノは、飲食店事業「居酒屋竹乃屋」を中心に「ビストロタケノヤ」「天ぷらえびす」等、様々な飲食事業を展開しています。
また、大反響を生んだ、平飼いの卵「つまんでご卵」の農業生産法人事業や通販事業、催事事業など飲食店舗以外も幅広く、事業を展開しています。
▲居酒屋竹乃屋の看板メニュー「博多ぐるぐるとりかわ」
社長である竹野孔氏は、1,すべてはお客様の笑顔のために。2,ともに働く仲間のために。3,社会に明日の活力を与えるために。を企業理念とし、「より多くのお客様に食を通して幸福を与えるため、働く仲間の給与を上げるために」と事業を拡大してきたと言います。
2019年には新たに10店舗を新規開店し、さらなる幸せの実現に向け勢いに乗る同社。
そんな中、発生した新型コロナウイルス。
飲食店事業を基盤に置く同社、数知れない影響や葛藤がありました。「飲食店」の常識が180度変わった2020年をどう考え、どう過ごしたのか。
今回は、2020年4月に入社した新卒若手社員2人組、藤原 信一郎さん、佐々木 珠里さん。2人を見守る、竹乃屋・吉塚店店長、倉本 直征さんに、「飲食店で働く今の気持ち」や「株式会社タケノのこれから」についてお話を伺いました。
飲食店で働くのが「夢」だった。
ーーー藤原さんと佐々木さんは、新卒で株式会社タケノに入社されていますが、社会人になる前は、どういった学生時代を過ごしていましたか?
藤原 信一郎さん(以下、藤原):調理だったり、服飾だったりを専門的に学べる学校に行ってました。様々なことをしてきたのですが、特に好きな教科は、服飾と調理でしたね。得意とは言えないですが、、食べることが好きなので!部活は陸上部で、役職は幽霊部員です。(笑)飲食店のバイトを楽しんでた学生時代でした。
佐々木 珠里さん(以下、佐々木):調理や栄養などを学べる、家庭科係の学校に通ってました。園芸部に入ってはいたのですが、藤原くんと同じく幽霊部員で、、(笑)お花の水やりはちゃんとしてましたけどね!私も、お寿司屋さんのバイトが特に楽しかった学生時代でした!
▲左:藤原 信一郎さん 右:佐々木 珠里さん
――― 藤原さんと佐々木さんが就職を考えるなかで、飲食業界に興味を持ったきっかけは何ですか?
藤原 :父親が飲食業界で調理人として働いている姿を、幼い頃から見ていました。憧れと言いますか…父のように調理の道に進もう。と自然と思っていたのかもしれません。飲食業界に就職を決めた僕を見て、父も喜んでいるんじゃないかと思います。
佐々木 :私は家庭科系の勉強をしていましたし、飲食業界への就職というのは、高校入学時から考えていました。最終的な決めては、やはり学生時代に行ったお寿司屋さんのバイトですかね。お客様との会話が楽しくて、「私は接客を通して、人を楽しませることができる!」と自分の自信にもつながって、飲食店への就職は「夢」でした。
―――数ある飲食店。 どうして、株式会社タケノに入社することを決めたのですか?
佐々木:「お客様を第一に」という企業理念にとてもとても惹かれたからです。接客業では、当たり前なのかもしれませんが、社長のインタビューを聞き、「お客様への思い」がどこよりも強いなと感じました。第一志望です!
私ってこんな才能あるんだ!コロナ禍だから気づけた新たな自分。
ーーー入社直後に店舗休業。入社直後の状況や、当時の気持ちを教えてください。
藤原:入社後すぐ、竹乃屋・吉塚店に配属され、7日後には、緊急事態宣言、お店が休業。と想像とは全く違ったスタートでした。やるぞっ!という心意気が突然すっと消える感じでしたね。僕自身もですし、店舗配属の同期みんな不安が大きかったと思います。
佐々木:当時は、自宅待機の時間も多くあり、一番やりたかった店舗での接客ができない。社会人生活になった自覚もあまりない状態でした。まだ、右も左もわからず、身をゆだねるしかなったというか。。。
ーーーただでさえ不安な新生活に、さらなる不安が押し寄せたのですね。ただ、今のお二人、とてもいい表情をされていますね!どういった心情の変化があったのですか?
藤原:正直、今も不安がないといったら嘘になります。ただ、「竹乃屋だから、安心できる」というのはあります。
―――「竹乃屋だから安心」との事ですが、具体的にどういった事が安心感を与えてくれたのですか?
藤原:4月の半ばには、他店舗(ランチ営業)のヘルプとして出勤したり、催事事業や、本部で商品の製造工程などを学んだり、タケノが展開する様々な業態を経験して回りました。通常であったら、一年間実店舗でしか働いてなかったと思います。コロナだから経験出来た事もたくさんあります。
タケノの多岐にわたる業態のおかげで、自分自身の経験値を上げることができ、安心につながりました。
佐々木:一番は、テイクアウト事業、通販事業が新規事業として4月に始まっていたことです。本社の方いわく、テイクアウトや通販事業は、コロナ禍になるずっと前に準備していたようで、少し始まりが早まっただけのようです。新規事業なのに先輩社員の皆さんが妙に落ち着いていたので、新たな事業の始まりになれているんだな~と安心しました。
想像していた業務ではないものの、接客ができて、働く場所がある。ということも安心感につながっていると思います。
▲JR箱崎駅構内で、テイクアウト販売をする佐々木さん。
ーーーコロナ禍だから、出来た経験が多くあるとの事ですが、一番印象に残ってる業務はなんですか?
佐々木:新商品開発に携われ、実際のメニューとして採用されたことです!竹乃屋では四季によってメニューを考案する料理コンクールがあります。私は昨年秋に「スイートポテトパイ」を提案し、社内で賞を受賞。季節限定メニューとして実際に販売されたんです。
夏前、お店が混んでいない時間を使って考え開発しました。コロナ禍だからできたことの一つです!
実際に、竹乃屋のホームページに「おいしかった!」と口コミを寄せて頂いたのも凄く嬉しかったです!自分の新たな才能を見つけてしまったというか(笑)
▲佐々木さんが考案されメニュー化された「スイートポテトパイ」。
――― 素晴らしいですね!コロナ禍でも色んな事に挑戦されているのが伝わりました。様々な業態を展開する竹乃屋だから不安も薄れたのですね。最後に、お二人の目標や、夢を教えてください。
藤原:店舗の調理責任者です!父へのあこがれもありますが、本部の製造業務や、店舗でのキッチン業務を通じて、調理する楽しさに改めて気づきました。まずは、おいしい焼き鳥を焼けるようになってお客様との会話を楽しみたいです!
佐々木:接客業を続けることです!直接お客様と会話できる空間が好きなので、カタチはどうであれ、お客様と近い場所で働いていたいです。
ーーー大きな不安の中、始まった新生活の中でも、自分の居場所を見出したお二方。一年間の様々な経験の中、とてもキラキラした社会人へ成長されてますね!佐々木さんの接客を受けに、藤原さんのとりかわを食べに、インタビュアーは、竹乃屋吉塚店に通うことでしょう。(笑)
2人には、申し訳ない一年間だった。でも、2人の前向きさはこれからの竹乃屋を担う!
そう語るのは、居酒屋竹乃屋・吉塚店 店長の倉本 直征さん。最後に、2人を入社から見守り続けた店長に、「2人についての思い」と「これからの竹乃屋」についてお伺いしました。
――― コロナ禍での新入社員が2人。店長として不安も大きかったではないでしょうか。
倉本 直征さん(以下、倉本):不安より、申し訳ない気持ちが大きいです。本来やりたいであろう、店舗での接客をさせてあげられないからですね。
実際、コロナの影響で、店舗の運営業務やお客さんからの視線も大きく変化しています。アルバイトの子は、コロナ感染への恐怖心や親御さんの反対を受け、辞めた人います。そんな中でも、藤原と佐々木は、色んな事に挑戦してくれるので、不安よりも、申し訳ない気持ち、様々なことに挑戦してくれてありがとうというが大きいです。
▲居酒屋竹乃屋・吉塚店 店長 倉本 直征さん。
ーーー2人から不安の声を実際に聞いたことはありますか?
倉本:これまで通りの店舗運営が難しい中、4月からは新しい新卒者が入社します。2人の後輩ですね。「コロナ禍により実務経験が乏しく成長しきれていない。4月以降、先輩としてきちんと教えていけるのか。」と不安を口にしていましたね。
不安はきちんと理解して見守ります。店長である私が、経験豊かなので心配ご無用!といった気持ちです。
―――素敵な関係性ですね。そんな2人にメッセージはありますか?
倉本:店舗業務以外の実務経験をできているのは、大きな強みです。この一年間の経験を踏まえて挑戦し続けてほしい。これからの竹乃屋を担っていくのは君たちだ!ですかね。
――― 素敵なメッセージです。最後に、「これからの株式会社タケノ」について教えてください!
倉本:はい。新しい生活様式に合わせた事業を主力に展開を続けていきます。
「オンラインショップ」や「催事販売」の強化、また新たに「テイクアウトに特化した店舗」も開店しました。
会社の理念でもある通り、利益ばかりを追求せず、来てくださるお客様の笑顔のために。今、求められていることを実現していきます。
▲2020年11月にリニューアル開店した、竹乃屋 大橋店の「テイクアウト専用コーナー」
もちろん、居酒屋竹乃屋・吉塚店も継続して運営していきます。コロナ禍でも安心頂けるサービスの提供や感染症対策の徹底はもちろんですが、オンラインショップやテイクアウト事業などを伸ばしていくためにも、今店舗で出来る事を藤原、佐々木と共に、精一杯やっていきたいと思います。
▲居酒屋竹乃屋・吉塚店 店舗前にて3人でガッツポーズ!
取材を終えて
初めての取材という事もあり、少し緊張気味だった藤原さんと佐々木さん。そんな2人を見守るようにドシっと構える店長倉本さん。不安を正直に話せる環境を築き上げた店長のもと、逆境をバネに、自分自身が幸せになるための働き方を模索するお二方。お互いを高め合い切磋琢磨する姿は、今後の竹乃屋を担っていく頼もしさを感じました!
「お客様の笑顔」「働く仲間の幸せ」のために事業展開をし続ける「株式会社タケノ」
飲食店への就職が不安?いやいや、飲食店には新たな可能性しかないじゃないですか!
次は、どんなカタチで「幸せ」を提供してくれるのか。これからの展開や成長が楽しみです。
<<竹乃屋をご自宅で!>>
▼宅配居酒屋 はかた焼き鳥屋 https://www.takenoya.online/