運送業の「あったらいいな」を実現する。ラストワンマイル・パートナーズ代表の想い
written by 田野百萌佳
菊池正寛さん
株式会社ラストワンマイル・パートナーズ 代表取締役社長 全国自動車関連企業等へのコンサルティングやシステム構築を行う株式会社D&Dマネージメントに勤めたのち、ラストワンマイル物流に特化した「ラストワンマイル・パートナーズ」を創業。
「ラストワンマイル物流のことなら、まずはあそこに相談しよう」と言われる会社を目指して創業
ーーー 一言で言うと何をしている会社ですか?
菊池代表(以下:菊池):ラストワンマイル物流に携わる方々の課題解決を支援する会社です。
ラストワンマイル物流とは、最終拠点からエンドユーザーへの物流サービスのことです。
その中でも、軽貨物車のリース・販売に強みがあり、軽貨物の経営届出や黒ナンバーの取得代行を行っております。車をお持ちでない方でも、素早く簡単に事業をスタートすることができます。運送事業も弊社で行っていて、配送のお仕事の紹介も行っています。
また、主に宅配事業と企業配事業といった配送事業も行っています。
宅配事業では、1都3県で約40名のドライバーとともに、大手ECサイトで購入された商品をお客様のご自宅まで配達したり、郵便局の宅配、大手運送会社の宅配便の業務を行っています。
郵便事業は、EC関連や、CtoCで送られる郵便物の宅配、集荷を行っています。
企業配は、主に地域の会社や店舗、例えばホームセンターや百貨店、美容室などに発送された荷物を配達するお仕事です。主に店舗向けの商材の配送を行っています。
そのほか、フリーペーパーの配送やフードデリバリーサービスの配送なども行っています。
ーーー 会社を設立した経緯を教えてください。
菊池:もともとは、全国自動車関連企業等へのコンサルティングやシステム構築を行う株式会社D&Dマネージメント内の「ラストワンマイル事業部」として、2021年4月にスタートしたひとつの新規事業部だったんです。私を含めて2名で軽貨物車のリース事業からのスタートでした。2021年7月から軽貨物運送業を開始し、事業開始から1年で現在社員数10名、業務委託ドライバー数は40名ほどとなりました。
その中で、もっとラストワンマイル物流に特化した会社として成長していきたいと考えるようになり分社化して設立したのがラストワンマイル・パートナーズです。
ーーー 「ラストワンマイル・パートナーズ」という社名の由来を教えてください 。
菊池:「ラストワンマイル物流に携わる人たちにとって、最良のパートナーになる」という想いを込めてつけました。
企業だけでなく、個人事業主やフリーランス、ギグワーカーにとっても、利用しやすいサービスを展開していきたいと思っています。
ーーー 「あったらいいなを実現する企業」という理念には、どんな思いが込められていますか?
菊池:今は世の中にないサービスであっても、「あったらいいな」と思うサービスがあれば積極的に実現していこうと考えて、「あったらいいなを実現する企業」という理念にしました。
ラストワンマイル物流の業界は、日々変化しています。
そのため、今ある商品やサービスだけでは、現状にマッチしていないことがある。
実際に、会社設立前に、一般的なリースプランとお客様のニーズにギャップを感じたことが背景にあります。
軽貨物車のリース事業からスタートした時期、リースの期間を業界では一般的な2年~5年と設定していました。ですが、実際に軽貨物運送業を行うお客様にお話を聞くと、「1ヵ月単位のリースをしたい」という希望があったんです。我々も軽貨物運送業を行う身としてその気持ちが理解できたため、さっそく1ヵ月単位で利用できる業態を作りました。
このことから、お客様が本当に欲しているサービスを作っていることが、お客様に喜ばれることであり、会社の成長につながると確信したんです。
ーーー 事業のやりがいや魅力を教えてください。
菊池:新しい仕事がどんどん増えていることです。
単に宅配や企業配というくくりだけでなく、例えば大手アパレル会社もEC事業に参入したり、自社独自の配送網を一から作ろうとしています。
また、自動車メーカーもラストワンマイル物流にマッチした車の開発を行っています。
実際に、わたしたちにも配送部門の内製化のお手伝いのご相談や、ラストワンマイル物流のマーケティング支援の相談なども来ています。
今後、小売業や飲食業では店舗を持たない業態が増えると言われています。それに伴い、配送部門は必須の機能となりますので、今後も私たちに求められる仕事も増えていくと考えています。
ーーー 今の事業を通して成し遂げたいことはありますか?
菊池:「ラストワンマイル物流のことなら、まずはあそこに相談しよう」と言われる会社になること。
ラストワンマイル物流は、特に個人事業主、フリーランス、ギグワーカーと呼ばれる方々が多く活躍していますが、そのような新しい働き方に適したサービスは少ないと考えています。そのため、私たちがそのような方々のチャレンジを支援したい。
特に前職で培った自動車調達と金融企画力の強みを運送業に活かすことで、実際に現場で業務を行うドライバーの方々の幸せに貢献したいと思っています。
ーーー 『「ラストワンマイル物流のことなら、まずはあそこに相談しよう」と言われる会社になる』という目標に向かう中で、直近の数年間で目指していることはありますか?
菊池:取り組む事業の幅を広げていきたいと思っています。
現在の軽貨物車のリース事業、軽貨物配送事業を主軸にしながらも、マーケティング支援や業種に特化したシステム開発なども計画しています。
軽貨物配送事業については、対応力を高めて、1都3県のドライバー数を100名、300名と増やしていきたいです。またエリアとしても札幌、名古屋、大阪、福岡、沖縄と拡大していきたいと思っています。
定年のない仕事だからこそ、満足に長く働き続けられる環境づくりに注力
ーーー ラストワンマイル・パートナーズならではの、働く魅力はどんなところだとお考えですか?
菊池:たくさんあるので、箇条書きでまとめますね。
①車を安く借りられため、車を持っていなくても働き始められる
②各事業所に予備車を置いているため、急な故障でも予備車が利用できる
③オールメーカー、新車、中古車全ての車を安くリース・購入もできる
④事務手数料や本部費用など不明確な費用がかからず、仕事をした分だけの収入がある
⑤月末締め、翌月25日払いと支払サイトが短い(業界では支払サイトが長い会社が多い)
⑥仕事をしたら、支払日を待たずに給与を受け取れる前払い制度がある
⑦慣れるまで収入が安定しないという不安を払拭したいため、業務スタート時の最低保証を用意
⑧複数の業務を掛け持ちでき、空き時間で収入を増やすことができまる
⑨社員登用の制度があり、将来、社員として活躍したいと考えている方にピッタリ
⑩独立開業のサポート制度があり、将来独立したいという方にもピッタリ
⑪D&Dグループのネットワークを活用し、 北海道、沖縄エリアでレンタカーの社割が利く
⑫軽貨物車の電気自動車を利用でき、燃料代の削減につながる
現時点で12個は魅力が挙げられます!
車好きの方にはもちろん、車に興味を持ち始めたばかりの方にもおすすめの環境です。
ーーー たくさんの魅力がある中で、働く方にとってさらにどんな会社にしたいとお考えですか?
菊池:10年、20年、30年と働き続けられる会社にしたい。
運送ドライバーの仕事は定年がないので、70歳になっても続けることができます。
ただ、1つの事業や1つの現場のみに止まっていると成長が止まってしまい、満足できる仕事人生を送ることは難しいかもしれません。
せっかく長く仕事ができる環境だからこそ、満足に働き続けていただくために、さまざまなキャリアの選択ができるようにしたいと思っています。
具体的には、宅配ドライバーとして経験を積んだ後に、教育指導ドライバーになったり、または1つの現場の管理者ドライバーになったり、複数の現場を統括するドライバーになったり。また宅配だけでなく、企業配、その他の配送業務に移ることも考えられますよね。
業務委託契約から社員ドライバーになることや、本部社員に異動すること、事業責任者になることなども選択肢に含まれます。
個人の特性や希望に合わせて、幅広い選択肢を提供できる会社になっていきたいと思っています。
ーーー そのような会社にしたいと思うようになったのには、何かきっかけがあったのでしょうか?
菊池:私自身、配送ドライバーとして生計を立てた経験がなく、事業開始した際にはドライバーの業務や気持ちを把握することが難しくて。
そのため、既存のドライバーの横乗りを行い、朝の荷積み、地図見やルート決め、伝票チェック、端末操作、お客様への配送、集荷、持ち帰り、締め作業を実際に経験することでドライバー業務の実態を把握できたんです。
そこから、現場の実態に合った意思決定をより心がけるようになりました。
自分だけではなく周りも大事にできる、一人前のドライバーを育てたい
ーーー 菊池社長ご自身が働く上で大事にしていることを教えてください 。
菊池:3つあります。
1つ目は仕事に誠実に取り組むこと。必要としてくれる誰かがいて、その方に感謝される働きをすることでお金をいただくのが仕事。一つ一つ誠実に取り組むことを大事にしています。
2つ目は、自分が納得できる仕事を行うこと。たとえ誰かの指示でも、自分が犠牲になってしまうのは良くない仕事だと思っています。
3つ目は、楽しくワクワクできること。長く仕事をしていくためにも、日々楽しくワクワクできる仕事をしたいと思っています。
ーーー では、この仕事に向いているのはどんな人ですか?
菊池:仕事にプロ意識を持って取り組める人。
配送の仕事は、一見簡単そうだと思われることも多いですが、荷積みや地図見、ルーティング、顧客対応など、運転以外にも多くの業務があります。
スキルの高いドライバーと低いドライバーでは配達実績が2倍以上も変わってくるんです。
配送効率が整っていない環境でも改善していくことにワクワクできる方にとっては、気づいたら天職と言える職業になっていくのではないでしょうか。
ーーー 一方、この仕事に向いていないのは?
菊池:他人の気持ちを考えられない人。
お客様や仲間、上司、部下、協力企業など、多くの方々と協力していきます。自分のことももちろん大事ですが、周りの方を大事にできる協力的な方と仕事がしたいです。
ーーー それを踏まえて、面接で必ず聞くようにしていることなどはありますか?
菊池:基本的な質問に加え、必ず聞いていることが3つあります。
・どのような背景から配送ドライバーを志すのか。
・将来、どのような仕事をしていきたいのか。
・苦労したときにどのように解消するのか。
背景を知ることで、要望に合った業務を紹介できますし、せっかく入っていただいたら長く一緒に働いていきたい。そのためにも 仕事で困難なことが起きた時に、協力して、対処できるようにするために、以上の3つは特に大事にしています。
ーーーでは、入社した方に求めることはどんなことですか?
菊池:ズバリ、一人前のドライバーになってほしい。
まずは配送ドライバーとして1つの現場でデビューし、業務に慣れたら他の仲間をサポートしてほしい。最終的には、複数の現場を行き来できる対応力の高いドライバーも目指していただきたいです。
ーーー 最後に、社長自身の人生で叶えたい夢を教えてください!
菊池:一人でも多くの人に、「出会えてよかった」と言ってもらえること。
私自身が関わることで、その方の人生が好転した、夢がかなった、理想に近づいた、助けられたと言ってもらえる人生を目指しています!
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