閑散期でも安心して働けるジャパン・セイフティ。質の高い警備を岡山に届け、警備員の地位向上を目指す

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written by ダシマス編集部

建築現場や道路工事の現場、商業施設の駐車場やイベント会場など、様々な現場で活躍している警備員。いることが当たり前になりすぎてしまい、その存在の重要さやすごさを軽んじていたのではないか。今回の取材を通じて、ひしひしと感じました。

お話を聞いたのは、2022年に岡山県岡山市に設立された新しい警備会社、株式会社ジャパン・セイフティ(以下:ジャパン・セイフティ)の山下 孝文(やました たかふみ)さんです。

山下さんはこの道15年以上の大ベテラン。長らくこの業界に従事していたからこそ業界への課題を感じ、警備員としての仕事の質について真摯に向き合ってこられました。そんな山下さんに、新しく立ち上げたジャパン・セイフティはどんな会社なのか、実際にどんな働き方ができるのかを伺いました。

 

岡山の警備の質を向上させ、警備をかっこいい仕事にするために生まれた会社

 

――まずはジャパン・セイフティさんについて教えてください。

昨年(2022年)立ち上げたばかりの若い会社です。求人募集を10月くらいから始め、現在(取材:2023年3月)17名が集まっています。少しずつ現場へ警備員を派遣しながら、評価していただけるようになってきたところです。

 

――山下さんはどのような役割を担っているのでしょうか。

実質、現場・警備員の管理から事務仕事までほとんどのことを私がしています。ジャパン・セイフティを設立した重藤組(株式会社 重藤組)は建築会社です。警備のことに関しては私の方が詳しいので。

 

――どのような経緯でジャパン・セイフティさんに入社したのでしょうか。

私は前職でも警備会社に勤めていました。退職しようか考えていた頃、重藤組が「指導教育責任者」という国家資格を持っている人を探していることを知りました。実際に話を聞きにいくと、警備の新事業を始めたいということだったんです。ちょうど私も退職を検討していた頃だったので「私でよかったら力になります」と伝え意気投合し、社長からも「すぐに始めましょう」とお言葉をいただきました。

 

――良いタイミングで素敵なご縁に巡り会えたのですね。

そうですね。もともと私は他の警備会社に15年以上勤めていたのですが、その時に各地で数店舗の営業所、支店を立ち上げてきた経験があります。その知識や経験を活かし、岡山の警備業界と地域に貢献できると思いました。

今現在、警備業界では警備員の“質”が求められています。ただこれは警備員だけの問題ではなく、会社の取組みや仕組みにも課題があると考えています。教育方法や指導方法などのやり方を根本的に考えていく必要があるんです。こうした課題を、自分で変えていける絶好の機会をいただけたと思っています。

それに私は、警備員という職業の地位向上に力を入れたいとずっと考えてきました。警備員と聞くと魅力的に感じられない方が多いですよね。こうした印象を変えたいと、日々、私は思っています。今の環境なら、当たり前のことを当たり前にすることで立派な警備員がいると評価していただける。一歩ずつではありますが、私がこれまで経験してきたことを活かし、警備員の“質”と技術の向上によって、一般の方から見える警備員の印象は変えていける。そう強く思い、ジャパン・セイフティの事業を担おうと決意しました。

 

――山下さんとしては、警備員の地位向上をするために何が必要だと考えていますか。

そもそも警備員の地位が低いというところに着眼点をおき、原因を辿っていくことが大事です。

昔は誰でも警備員になれる時代でした。ユーザー様も警備会社も「とりあえず現場に人を立たせればいい」というくらいの意識も多く、とにかく警備員の質が悪い部分も否めなかった。教育や指導も全く行き届いていなかった部分も少なくありません。

警備業界において、教育は永遠の課題です。だからこそ私たちは警備員の教育というところをかなり重要視しています。当たり前のことを当たり前にする。ジャパン・セイフティをそんな会社にしていくつもりです。

 

警備は現場の顔。周辺住民に安心を感じさせる重要な役割を担っている

 

――山下さんが思う、警備の仕事のやりがいとは何でしょうか。

警備というのはただの旗振りではありません。事故がおきないように警備計画をしっかり立てて、現場の安全安心をご提供する。実際、現場に出てみると本当に面白いんですよ。混雑している交差点を一人で対応できた時の満足感はかなりあります。

実際に仕事をしていて嬉しいことは、一般の方に「おはようございます」と挨拶をしたら「おはようございます」と返してもらえることです。一生懸命仕事をしていたら、全く知らない近所の方がジュースを持ってきてくれることもあるんですよ(笑)。些細なことかもしれませんが、特に警備になった最初のころはこうした接点に素直に感動しました。

工事をすると少なからず周辺の方々に迷惑をかけるので、工事をする側が皆さまに理解を求め、ご協力いただきながら進めるものです。それなのに私たちに対して、優しい心遣いをしてくださることが嬉しかった。私たち警備員が誠心誠意、仕事しているところを多くの方がしっかりと見てくださっていると思えた瞬間です。

 

――ジャパン・セイフティさんではどんな警備の仕事をされているのでしょうか。

我々が請け負うメインの仕事は交通誘導です。あとは巡回業務やスーパーの駐車場警備もします。

交通誘導では事故を起こさないように交通の円滑化に努め、細心の注意をはらって誘導します。巡回業務は、現場が休みで誰もいない時に現場の見回りをする仕事です。写真を撮って異常がないことを報告する、といった感じですね。あと岡山ではあまりないのですが、災害等の緊急警備というのもあります。

 

――交通誘導の一日の流れを教えてください。

交通誘導の現場は大きくわけて建築現場と一般道路があるのですが、我々がよく行くのは建築現場です。

建築現場の警備をする場合、まず朝礼に参加しKY(危険予測)について確認をします。その日の現場でどのような注意点があるかを考え、どんな警備・誘導をしていくか説明して配置につきます。

それから歩行者誘導、車両誘導、道が通行止めなのであれば迂回の誘導など、各ポジションに与えられた仕事をするという流れですね。

 

 

――プロの警備員とはどんな人なのか、何がすごいのかについてお聞かせください。

プロの交通誘導警備員とは基本をきちんと守り、安全と安心を提供し自信を持って誘導できる人です。自信を持った誘導をしないと誘導される側も不安になります。

そのためには、事故を起こさないための警備計画を考え、誘導の基本を徹底することが欠かせません。もちろんミーティングも大事です。

例えば車を誘導するのにしても優先順位があります。優先順に歩行者、一般車、そして最後が工事車両です。この優先順位をしっかりと徹底していれば事故やクレームは起きづらいです。警備計画と誘導の基本。この2つをしっかり守り、自信を持った警備・誘導をしている人がプロだと言えますね。

 

――こうしたプロの警備員がいるからこそ、現場の安心安全が守られているのですね。

警備員は現場の顔です。建築現場でも一般道路でも、一般の方が最初に見るのは警備員なので、警備員の対応1つで現場の印象が決まります。例えばスーパーだと「警備員が嫌だから行きたくない」と思われかねません。

また、誘導も大事ですが「おはようございます」「お気をつけて」といった、雰囲気の良い対応も大事です。それだけでも「ここの警備員はしっかりしているな」と思っていただけます。

会社としてはこうした考え方や姿勢を浸透させるために、警備員の教育をとても大事にしています。10人いたら10通りの性格があるので、個々に合わせた指導が必要です。だからこそ弊社では教育や指導は妥協せず、一人ひとり丁寧にするように心がけています。

 

閑散期でも安心して働けて、福利厚生もしっかりと対応できる体制がある

 

――働き方について、ジャパン・セイフティさんならではの職場の特徴などがあればお聞かせください。

閑散期と呼ばれる時期でも安定して仕事があることです。その大きな理由は重藤組の存在です。大手建築会社のグループ会社なので、建築現場の仕事が安定して入ってきます。

この仕事はどうしても建設・土木業者に依存してしまう職業です。工事があまり行われない5~7月のような閑散期には収入が激減します。日雇いの方が大半なので、生活する上でこれは死活問題です。

警備会社としても閑散期の影響は同じく厳しいため、長期的な雇用はしづらいのが現状です。一方、雇われている方としては、安定して仕事ができるのに超したことはありません。

昔からこうした現状をなんとかできないかと考えていたのですが、やはり一番安定できるのが建物を建てる建築系の仕事なんですね。例えば今弊社が担当している案件で工期が4年というものもありますし、他の現場でも短くて1年です。こうした工期の長い現場があれば、閑散期であっても仕事が続けられます。

グループ会社に建築会社があるということは、警備員の方々にとって大きな安心感になると思っています。もちろん閑散期の波の影響はゼロではありませんが、限りなく小さくできるのが弊社の大きな特徴であり強みです。

 

――それは確かに強みですね。

だからこそ、今が弊社にとって従業員を確保するための勝負の時期でもあります。閑散期に入っているこのタイミング(取材:2023年3月)にも、求人を出しているのですがたくさんの応募をいただきました。

 

――それでも、まだ人が足りないのですか。

現在の保有物件では大丈夫ですが、これから始まる現場もかなりありますし、足りているからといって採用を止めてはいけないんです。就職や離職が多いこの時期にこそ採用に力を入れ、次の繁忙期でお客さまに充実した警備体制を提供できるように備えておかないといけないので。

会社の都合で、人手が欲しい時だけ集めるなんてことをしても上手くいきません。まずは従業員の方々に、閑散期でもしっかりと働ける環境を提供する。そしてもちろんですが、繁忙期にも活躍していただく。こうした体制を今つくっているところです。

 

 

――ジャパン・セイフティさんの福利厚生面についてもお聞かせください。

福利厚生を提供できる体制はできています。

警備員はアルバイト雇用が多く、厚生年金などの社会保険料をかけてもらえないことが多いんです。だからこの部分に関しては社長としっかり話をして、弊社では警備員も社会保険にすぐ加入できるようにしています。

 

――福利厚生面以外の部分で、警備員の方々が働きやすい環境をつくるために取り組んでいることがあれば教えてください。

警備員の方々と密にコミュニケーションを取ることをかなり大事にしています。この仕事の肝は「報告・連絡・相談」です。現場から帰ってきたら、必ずその日その現場でどんなことがあったのかを聞きます。

現場の仕事が忙しくなると、こうした情報共有が抜けてしまう人は少なくありません。この状態をそのまま放置しておくと、本人のストレスにもなってしまい退職してしまう場合があります。だから私は必ず、現場から帰ってきたら出迎えて「今日はどんな感じだった?」「クレームはなかった?」などのコミュニケーションを大事にしています。こうして現場の状況を共有することでストレスの軽減になるからです。

また、警備員の現場での配置を考える管制業務があるのですが、その時に誰をどう配置するのかもそれぞれの個性や性格などもふまえて考えています。

誰を隊長にするのか、メンバー同士の相性はどうか、能力はどうか。あと現場までの交通手段や、女性であればトイレが備わっている現場かどうかなどですね。一人ひとりのことを考えて管制業務を行うよう努めているので、働きやすいと感じていただけるのではないかと思います。

 

――最後にこの記事を読んでいただく求職者へメッセージをお願いします。

我々は2022年7月に登記したばかりの若い会社です。これから益々大きくなっていくための大事な土台づくりをしています。そんな土台づくりを、一緒に頑張ってくれる初期メンバーを募集しています。

今回話したような警備に対する考え方や、「当たり前のことを当たり前にして、この仕事の地位を向上させたい」という私の思いに共感していただける方と巡り会えたら嬉しく思います。

 

株式会社ジャパン・セイフティについて

・ホームページ:https://japan-safety.com/
・採用情報:http://japan-safety.com/recruit/

 

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