【移住検討者に絶対おすすめ!】栃木県・那珂川町で“お試し移住”をして感じたこと
written by 川西里奈
地方での暮らしのリアルを伝える本連載、今回は箸休めとして私がこの秋に栃木県那須郡・那珂川町(なかがわまち)へプチ移住した際のことをお伝えします。
取材で一週間ほど『移住体験住宅』へ滞在したのですが、これが思っていた以上に濃厚(!)な体験となりました。
川西里奈(りなっしー)
フリーランスのライター。地方創生と食べ物を中心にweb媒体や雑誌で発信中。全国どこでも原付バイクで走り回って取材します。
移住体験住宅が快適すぎる…!
栃木県宇都宮駅からは車で1時間ほど。八溝グリーンラインという見晴らしが良くて大変気持ちの良い道を走り、いくつもの山を越えます。(今回は原付きバイクで向かったので1時間半ほどかかりました!)
那珂川町に到着し、さらに山を駆け上がること10分ほど。こちらが今回宿泊する『体験住宅』。家の周りには本当に何もなく民家が数件。あとは山と畑と田んぼに囲まれています。
▲玄関の前には薪が積まれている!
▲開放的で新築の匂いのするリビング。
▲広々としていて、2〜3人でも暮らせそう。
▲憧れの薪ストーブ!
▲お風呂で足を伸ばせるのは久々です。
▲田んぼを挟んで見るとこんな感じ。家の前には川が流れています。
東京での仕事に追われる日々から逃れるようにたどり着いた那珂川町の家は、めちゃくちゃきれいで思っていた以上に快適…。着いた瞬間からひとりでテンションが上がっていました。
こちらの体験住宅は、町外在住者で移住、就農、田舎暮らしを希望している方に向けて建設されたもので、一日あたり1,000円で2名以上で3日~60日間滞在が可能。
つまり、「移住してみたいけどまずはどうすれば…」と悩んでいる方にうってつけの施設。こちらの体験住宅でお試し移住生活をすることができるんです。
そして驚きなのは、
「高手の里」では、町有地を無償で20年貸出しています。
貸与する用地は、1区画約150坪以上で、家屋を新築し、さらに家庭菜園に利用するなど自由に使用することができます。
なんと!!この体験住宅が位置する「高手の里」の土地を20年間無料で貸してもらえるのだそう。これには私もだいぶ心が躍りました。でも、調べてみると家を建てるのってけっこうお金がかかりますね。ご利用は計画的に…!
壮大な自然に圧倒される
到着した初日の夜、“静けさ”に驚きました。都会に住んでいると感じたことのない静寂。ときどき聞こえる風の音や虫の声が新鮮で、朝まで眠れませんでした。
翌日、ぼんやりと山を眺めながら昼寝をしてしまいこりゃまた最高の心地良さでした。「さて、仕事!」と思ってもまったく手につかなかったのが、この滞在唯一のデメリットだったかもしれません(笑)。
▲ついついパソコンの向こうの山を眺めてしまいます。
▲徒歩5分くらいのところには清流が。
▲バイクで走っていてもとっても気持ち良い。
▲町の中心地『馬頭商店街』はとっても空が広い。
那珂川町は、栃木県の北東部に位置する町で人口は15000人ほど。2005年に馬頭町と小川町が合併したことで誕生しました。町の中央には壮大な那珂川が流れており、町に豊かな自然を生み出す源となっています。
そんな那珂川は天然鮎釣りの聖地で、毎年春〜夏にかけて多くの釣り人が訪れます。今回の滞在中も、川で釣りをする人たちをたくさん見かけました。
山や川を眺めて澄んだ空気を感じるだけでも癒やされますが、少し歩くと山菜や見たことない木の実が落ちていたり、道端に野生動物が現れたり…と楽しみは尽きません。
旬の食べ物と温泉がある日常
那珂川で育った新鮮な鮎のほかにも、温泉水で養殖されたトラフグ、八溝そばなど実はおいしいものもたくさん。それだけでなく、洋食レストランや本格イタリアンまで、グルメな方にもおすすめしたくなる名店に数多く出会いました。
▲体験住宅近くの『御前岩物産センター』で、大満足のとらふぐ御膳。
▲のんびりとしたテラス席で清流を見ながら贅沢な時間を過ごしました…。
▲家の横の田んぼは一面、黄金色の稲で埋め尽くされていました。
さらに素晴らしかったのが温泉。那珂川町は『美人の湯』と呼ばれる馬頭温泉郷があり、那珂川の清流を眼下に大小の温泉宿が点在しています。
いくつかの温泉に足を運びましたが、お湯の質もさることながら、お湯に浸かりながら夕陽を見られるところが多く、うっとりとして時間を忘れてしまいます…。
町の人たちの優しさに触れた
そんなこんなでおいしいものに温泉にと、、普通に町を楽しんでしまった私ですが、何より印象に残っているのが、町の人たちがお世辞抜きで本当に優しかったことです。
たった一週間の滞在でしたが、地元の方から移住者の方まで、取材でもプライベートでもたくさんの方に出会いました。そしてその誰もが泣けるほど親切に接してくれました。
▲那珂川町役場の人気者、露久保さんと公式キャラクターのなかちゃん。
▲隣で稲刈りをしている方が新米をお裾分けしてくれたこともありました。
▲那珂川町の皆さん。(ほんの一部)
町内の集まりや食事に招いてくれり、家まで送っていただいたり、畑の野菜やフルーツを食べさせてくれたり、ピアノの演奏まで、、
数え切れないほど、多くのものを受け取って、帰るときには胸がじんわり。「帰りたくない…。」と、すっかりこの町のファンになっていました。
那珂川町は道の駅や美術館、伝統工芸やグルメなど観光地としての魅力も充実しています。しかしながら、「ここで暮らしてみたいなあ」と思うきっかけは人の魅力なのかも、と思いつつ那珂川町をあとにしました。
まとめ
現在、お試し移住をサポートしてくれる地方自治体は少なくありません。気になる土地があったら、まずは最低一週間でも滞在して、町の雰囲気を感じてみるのをおすすめします。
移住した先でも、仕事や人間関係などさまざまな困難があるかと思います。そんなときに自分の支えとなるものは何でしょうか。自然や動物、食べ物や趣味、人との関わり…。そんなことも少し想像してみながら移住生活を体験してみると、リアルな今後がイメージできるのかもしれません。