「人の繋がりが仕事のかなめ」 倉庫作業の現場に迫る!
written by ダシマス編集部
福岡運輸株式会社は、1943年に創業、1956年に設立し、1958年に日本で初めて冷凍車を走らせました。現在では、冷凍だけでなく、多様な輸送需要が高まっていることから、温度を一定に保つ「定温輸送」を中心に事業を展開。グループ全体では、北海道から鹿児島まで拠点を拡大しています。
設立から65年、同社の強みは「対応力」だとか。今回、作業職ならびに管理職も兼任している同社の社員 木下さんと、作業職をメインに行う打越さんにご自身の事や会社について話を聞きました。
木下 裕矢(キノシタ ユウヤ)
福岡県にて生まれ、佐賀県鳥栖市で育った33歳。高校卒業後、肉屋・アイスクリーム工場・農家を経験し、福岡運輸株式会社へ転職。現在、勤続6年目となり、作業職と事務がメインの管理職を兼任している。プライベートではインドア派。新婚だが、家では一人の時間を大事にしている。
打越 昂輝(ウチコシ コウキ)
福岡県小郡市出身の28歳。大学を卒業後、ドラッグストアに就職。3年間勤務したのち、福岡運輸株式会社へ転職。現在、勤続3年目となり、作業職を担当している。プライベートでは、2歳と4カ月の娘を持つパパ。子供が好きなアンパンマンのぬいぐるみやDVDといったグッズ収集にハマっている。
入社3年目と6年目。それぞれの前職・入社のきっかけは?
――― 本日はよろしくお願いします!早速なのですが、福岡運輸さんに入社される前はどんなお仕事をされていたのですか?
木下 裕矢さん(以下、木下):これまでは肉屋さん、アイスクリーム工場、農家に勤め、気づけば食品関係の仕事に多く携わっていました。夜間高校に通っていた事もあり、16歳から働いていたので、社会人歴はトータルで17年目くらいですね。
打越 昂輝さん(以下、打越):大学を卒業後、新卒で入社したドラッグストアが前職になります。熊本県で3年間勤務し、副店長まで昇進しました。その後、福岡運輸へ転職したので現職で2社目になります。
――― 入社のきっかけは何だったのでしょう?
木下:前職である農家で働いている時に一緒に働いていた先輩がいたのですが、その先輩に「農家は合っていないと思う。もっと動く系の仕事の方が合ってる。」と言われ、福岡運輸を紹介されました。僕自身、当時農家の仕事に対して不安要素を抱えていたので、すぐに面接へ向かいました。リフトの免許を持っていなかったので、内定時に取得し、働き始めた形です。
打越:前の会社を辞めた理由が、入社前と実際に働いてみてのギャップを感じたためでした。自分がやりたいこととは少し違うかな、と…。当時熊本県に勤務していたので、地元である福岡県小郡市近辺で働きたかった事もあり、求人を探していました。職探しをする中で、大学時代のインターンシップで物流を経験した事を思い出し、「そういえば物流業界も楽しかったな」と。それでやってみようかなと思い、面接を受け、入社しました。
それぞれの役割・経験・こだわりから見えてくる魅力
――― これまで全く異なる業界を経験されていますが、現在はどんなお仕事を担当されているのでしょう?
木下:現在は作業職プラス事務がメインとなる管理職を兼任しています。割合としては、作業職の方が多いですが、管理職も担っているため、電話対応や現場の問題対応も行います。僕が作業職だけをしていた時は、何か問題が起こったら大体事務所に対応を求めに行く側だったのですが、事務側の立場になってからは、対応を求められる側になりました。管理職を兼任するようになってからは、そういう点にやっぱり一番変化を感じますね。
打越:僕の方は作業職のみを担当しています。大まかな一日の流れとしては、朝トラックが倉庫へ到着し、荷物が下りてくるので、フォークリフトで商品を棚へ格納する作業を午前中~大体14:00頃まで行います。午後15:00頃からは、出庫作業がメインになり、商品を店舗ごとにピッキングし、仕分け、店舗ごとに振り分けていきます。作業職の業務的には僕も木下さんも同じですね。正直体力を使いますし、荷物の量やスタッフの勤務状況により、作業の進行スピードが変わってきます。
――― 木下さんは6年間、打越さんは3年間それぞれ働かれてきた中で、この仕事の面白みや一番やりがいを感じる瞬間などはありますか?
木下:仕事面からは話がそれるかもしれませんが、僕の場合は会社の仲間と仕事をやり遂げた時です。作業職って体力はもちろんですが、やっぱりチームワークがあってこそ成り立つ仕事だと思うので、やり遂げた後の達成感は本当に大きいです。
打越:弊社で取り扱う商品は、小麦粉などといった大体大手製菓向けの材料関係が多いのですが、たまにパン屋さんなどに行った際、自分のピッキングした粉の商品が厨房から見えた時は、とてもやりがいを感じます。「あの商品がここにあるんだ。ちゃんと届いたんだな。」と思いますね。今までは小売業界だったので、どちらかというと売る側だったのですが、物を出す(出荷する)側になると、それはそれで違った楽しさを感じます。
――― なるほど。やりがいの大きいお仕事とお見受けしますが、これだけは効率化や省くことができないと思う仕事のこだわりはありますか?
木下:僕たちがピッキング・出庫作業をする際になるのですが、「三点一致」というのを毎回おこなっています。「三点一致」とは、「商品名」「賞味期限」「出庫数」の事で、これを疎かにすると出庫ミスに繋がってしまいます。この3つが問題なければ確実に出庫できる状態という事なので、省かずしっかり行うように日々心掛けています。
打越:効率化って無駄などを省くものだと思いますが、そう考えると「人」って省けないなと思います。作業の自動化はもちろん、リモートワークなどができない職種なので人が携わらないと流通が止まってしまいます。自分たち自身が動かないと成り立たない仕事なので、人に対して効率化できないと感じますね。
――― 大切な商品を扱うからこそ、毎回同じ流れ作業などでは対応できない、一つ一つの商品への入念なチェックが欠かせないという事ですね。仕事をしていく上で、それぞれが大事にしている価値観や言葉があるのでしょうか?
木下:やっぱり人、仲間ですかね。一人でやれば時間がかかることも、カバーして貰うことによって容易に終わるような仕事に不思議と変わります。仲間と協力して仕事を終える、そういう点が僕自身の中では大事なことかなと思っています。
打越:いつも心掛けていることは、感謝の気持ちを忘れないという事です。どこの会社もそうだと思いますが、みんなで助け合いながら仕事をすると思います。そこで感謝の気持ちがないと、手伝った方は「なんなの、この人」ってなると思うんです。なので、何かしてもらったら「ありがとう」っていうのは、忘れずにするようにはしています。言われた方も気持ちいいですからね。
――― 木下さん、打越さんが今に至るまでに苦労した、失敗したなと感じることはありますか?
木下:そうですね。以前、僕がリフトに乗って冷凍庫の中に商品を持って入ろうとした時、後方を確認しておらず、商品をぶつけて破損させてしまいました。他にも、商品を誤って落としてしまったり…。ですが、このような経験があったからこそ、僕自身の技術も上がっていきましたし、何よりお客様の大事な商品を扱っているという意識もより強く持つようになりました。言い方が合っているか分かりませんが、誰でもが通る道だと思います。なので、新人や後輩にも「こんなことがあるから、こうした方がいいよ」と親身になって指導できるのだと思います。
打越:一日の作業の中で、この時間までに終わらせなければならない事があるのですが、入社当初は時間内に終わらず、周りの方がカバーしてくれたので申し訳ない気持ちでいっぱいでした。今思えば、誰かがリカバリーしてくれる環境なので、アットホームといいますか、支え合う会社なんだなと思います。単純に失敗してしまったからそこで終わりではなく、次は自分たちがカバーに回っていきます。
――― 木下さんから打越さんへ、打越さんから木下さんへ、この際だからぶっちゃけて言いたい事や聞きたい事はありませんか?
木下:誰に対してもですが、自分が思っている事って出来るだけ伝えるようにしています。職場の雰囲気自体、思った事を溜め込まず、すぐに言える環境なので。打越君に対してちょっとモヤッとした事とかも伝えるようにしています。でも、打越君からは特にないんですよ。それが何か大丈夫なのかなと心配になりますね。
打越:正直、木下さんに対して愚痴とかはないです(笑) 木下さんは仕事が出来るので、どちらかというと尊敬の気持ちの方が大きいです。作業スピードが本当に早くて、無駄がないといいますか。僕自身も見習いたいですが、そこまでスピードアップできず…いつも凄いなと思っています。
――― 仕事が早いとの事ですが、木下さん的に作業スピードを上げるコツなどがあるのでしょうか?
木下:ただ単に動くスピードが早いんじゃないかなと思います(笑) あとは、もともと僕自身が夜勤で働いていて、そこから管理職に就いたので、夜勤の仕事の事は大体イメージできます。夜勤の労力やどこがポイントになるかという点を把握しているので、夜勤担当者がスムーズに作業できるように日中も意識して取り組んでいますね。もう一言付け加えると、僕の奥さんが夜勤で働いているので、みんなよりは手を加えているかもしれません(笑)
――― 夜勤業務のイメージができるのは木下さんの強みですね。さぞ奥さんも心強いのでは…! おふたりが思う「福岡運輸で働く魅力」って何だと思いますか?
木下:繰り返しになりますが、やっぱり人との助け合い、協力が魅力の一つだと思います。黙々と作業をするのも僕は好きですが、達成感はみんなでやり遂げたからこそ一段と大きなものになりますね。
打越:最近、人が良いなとよく思います。僕はまだ九州配送センターでの経験しかありませんが、在籍3年間で結構若い人が増えたなと感じます。ベテランの社員ももちろんいますが、若い人なりの盛り上げ方で全体の調和がとれているなと。結構和気あいあいとしていますよ。
―――働く上で人が欠かせないと言われていたので、人が良いというのは働きやすさにも通じている部分ですね。ここからは会社についてですが、福岡運輸 九州配送センター独自の風習や魅力、転職して驚いたことなどがあれば教えてください。
木下:一言でいうと団結力です。クセのある人もいますが、人と人の繋がりやチームワークによって生まれる団結力が魅力であり、転職して驚いた事でもあります。
打越:僕もやっぱりチームワークかなと思います。ピッキング作業が遅れていると誰かが「自分行きますね」「フォローしてきますね」と自ら率先して動く人が、若い方やベテランの方に限らず本当に多いです。
「チームワークを大事に=人を大事に」福岡運輸にはこんな人が合います!ともに目指したい会社のビジョン
――― ひとりでは出来ない仕事だからこそ、チームワークが発揮されるのでしょうね。ちなみに会社にはどんなタイプ・性格の人が多いと思いますか?
木下:仕事は真面目に取り組みますが、楽しく面白く冗談の言える人たちが多いですね。仕事中に冗談をいう事は多々ありますが、やる時はやる。メリハリのつけ方が上手な人が多い印象です。
打越:木下さんとほとんど同じですが、冗談を言いつつも基本的には真面目な人が多いと思います。あとは、調和性がある人ですね。僕自身も思っていた事ですが、倉庫業って一人で黙々と作業するものというイメージがありました。ですが、実際に入社してみると、チームで作業している感じがとても強いです。ピッキングした先には仕分けがあり、仕分けした先には積み込みがある。倉庫だけではなくドライバーとリレーをして、たすきを繋いでいく仕事なので、調和性やコミュニケーション力がある人の方が向いていると思います。
――― ユーモアがありながらも真面目な方が多いと伺いましたが、今後どんな人と一緒に働きたいと思いますか?
木下:冗談なんかも言える人であり、僕たちと一緒に前を向いて進んでいってくれる人のような方ですね。ともに歩むといいますか…協調性がある人がいいですね!
打越:真面目な人でも、頑なに他の人の意見を聞き入れないような、そういう真面目さを持った人は向いていないかもしれません。色んな人の意見を聞いて、素直に聞き入れられる人の方が一緒に働きたいなと思います。注意された事に対してもスッと受け入れ、次の作業に活かしていける人じゃないと難しいと思います。
――― これまでお話を伺って、チームワーク・協調性がある企業という事が分かりましたが、会社をもっとこうしていきたい、こうしていくべきだと思っている事はありますか?
木下:列車のように線路を一直線に走って、みんなを連れて行ってくれる会社というか。社員の思いや会社の思いをまとめて乗せて一緒の方向に向かっていけたらと思います。
打越:やっぱり若い人たちがスキルを磨いて会社を盛り上げていけたらと思います。また、会社をもっと大きくするためにも、女性の作業員がもう少し増えたらなと。倉庫業や運送関係の仕事は女性が少ないですが、女性作業員が増える事で間口が広がるのではないかと思います。
女性社員ものびのび活躍できる現場環境も魅力
――― 女性作業員がもっと増えたらという事ですが、実際に軽作業などはどの程度の作業になるのでしょう?
木下:現時点で九州配送センターでは6名の女性作業員が働いています。リフトに乗らない女性は、入庫作業、リフトでは荷受けできない分の台車格納、出庫・ピッキングも台車で取れる部分、仕分け作業を担当してもらっていますよ。おかげで僕たちはリフト作業を集中してできるので、かなり助かっています。割と何でも言いやすい環境なので、女性から「これお願い!」と任されることも。そんな時は「了解です!!」と快く引き受けますよ。
打越:会社としても、女性の体に負担があまりかからない程度にしているとは思います。僕を含め男性社員も気に掛けるようにしています。例えば重いものだと「こっちでやるよ」とか、「これだったら任せても大丈夫だから任せよう」とかですね。任せられるだろうという判断のもとに采配をしています。
――― 業務的なところでも、女性社員は大事なところを担ってらっしゃるのですね。男女問わず活躍できるフィールドがあるのは魅力的です。今回のお話を聞いて、倉庫作業の印象がガラリと変わりましたし、文字通り家族のような、お互いを支え合う企業だなと思いました。木下さん、打越さん、ありがとうございました!
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