連携記念!ハタラクミライの担い手に聞く、働き方の可能性の広げ方
written by 田野百萌佳
ダシマスにお友達ができました!
この度、エッセンス株式会社さんが運営するメディア「ハタラクミライ」(https://www.essence.ne.jp/hatarakumirai)とダシマスが記事連携を開始!
今回は連携を記念して、エッセンスで事業部長をつとめる島崎由真さんにインタビュー。
従来の働き方にとらわれない、「新しい仕事文化をつくる」というミッションのもと、キャリア育成のプロ・島崎さんはどのように向き合っているのでしょうか?
エッセンス株式会社 島崎由真さん
1987年広島市生まれ。2児のパパ。 エッセンス株式会社でプロパートナーズ事業部・越境研修事業部部長 新卒入社した会社でビジネススクールやクラウドファンディングの運営等に携わったのち、2015年にエッセンスに入社。 その傍ら、2017年にHR企業や企業人事を束ねる有志団体コミュニティ「One HR」を立ち上げ、共同代表に就任。同年に一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の事務局にも参画。
従来の働き方に囚われない、「新しい仕事文化」とは
↑ダシマスとの連携を祝して、熊手を持って出迎えてくれた(?)島崎さん。
ーーーこの度は記事連携ありがとうございます!Webでは何度か打ち合わせをしていましたが、実際にお会いできて嬉しいです!
島崎さん(以下敬省略):よろしくお願いします!あれ、小山さん、今日はいつもの旗ないんですね。
小山(ダシマス編集長):しまった、、、次は持ってきます!
(※この日取材に同席していたダシマス編集長・小山は、常時背後にインパクトの強い旗を設置してオンライン会議に挑んでいます。)
ーーーということで(?)、エッセンスさんといえばやはり「ハタラクミライ」のイメージが強いのですが、今日は島崎さんが部長を務める2つの事業他の事業についても伺いたいなと思います。
まず、プロパートナーズ事業とはどんな事業ですか?
島崎:プロパートナーズ事業はエッセンスの創業事業で、大手企業や有名企業での経験とノウハウをもつ現役のプロ人材を、そのノウハウを求める企業に非常勤のパートナーとして紹介する事業です。紹介する人材を「プロパートナー」と呼んでいて、プロパートナーと企業、お互いの可能性をマッチングを通して広げていくという目的でやっています。
ーーーお互いにとって、具体的にどんな可能性が広がるんでしょうか?
島崎:プロパートナーにとっては、業務委託や副業という形で他企業で働くことで自分の新しいスキルや働き方に出会う機会ができます。
一方で受け入れ企業にとっては、新しい知見やノウハウを社外から取り入れることで生産性が思いっきり上がったり、あるいは自分たちが気づいていなかった新規事業の可能性に気づいたり、今までやってこなかったことができるきっかけになります。
ーーー越境研修事業部の方はどんな事業ですか?
島崎:越境研修事業部はもともとあった2つの事業がくっついた形です。1つは2017年に立ち上げた他社留学事業。エッセンス代表の米田が、自身の経験から「ずっと1社で働いているより週に1,2日くらいは他の企業の人に接しながらビジネスをしたほうが知見も視野も広がる」っていう考えを持っていて、これをサービス化できないか?という思いから立ち上がりました。その翌年に「プロボノ」という、企業の人材が自分の専門知識や経験をボランティアで活かす活動をプログラムとして立ち上げて、今年の4月から他社留学事業と合わせて1つにまとまりました。
ーーーどちらの事業も、企業の人材が他の企業で働くというまさに「新しい仕事文化」ですね!実際にどういうところに需要があるんでしょうか?
島崎:わかりやすいところだと、大企業と人手不足の地方企業や中小、スタートアップ企業とか。
首都圏の人が地方企業に転職したり、大企業から中小、スタートアップ企業に転職したりってなかなかハードル高いじゃないですか。
受け入れる企業側も、大企業にいた人たちが働いてくれるんだろうかというのがありますし。
一方で実際に大企業1社でずっと勤めてきた方々が、定年後に一気に新卒並みの給与での働き口しかないという現状もあって。そこに副業やプロボノという選択肢がある、ということを広めていけると良いなと思っています。
ーーーたしかに、今の環境を捨てて180°違う環境にいきなり飛び込むのはリスキーですが、一か八かで仕事を辞めなくても挑戦ができる仕組みがあるのは大きいですね。
具体的に、2つの事業を行う上で「これ、可能性あるな」と感じた瞬間ってありますか?
島崎:プロボノは私も事業立ち上げから携わっているんですけど、事業化する前に実験的にやる機会があって、そこで見えてきたものがありまして。
その時参加してくださった大企業で働く方の中には、無償でもスキルを発揮してくださる方が多かったんです。そこで出会った社長や地域を応援したいとおっしゃる方が多くて、なんていうか、新しい自分の居場所を見つけた感じ。受け入れ企業の方からも「ここまでやってくれると思いませんでした!」という声をいただけました。
ーーー実験段階でそんな体験があったから、事業化につながったという背景があるんですね!
キャリア育成に向き合う中で、軸にある価値観
ーーー島崎さんご自身は、どのようないきさつでこのお仕事をしているんですか?
島崎:エッセンスには中途入社なんですけど、前職では教育関係や新卒採用のコンサルをやっている会社にいました。そこで「未来の経営者を育てる」という目的で、いろんな経営者の方に来ていただいて自分のビジネスとか影響を受けた歴史を学生にお話いただくという内容のビジネススクールの運営をしていました。
その会社に5年勤めた後、あえて業界を絞らずにいろんな業界の企業を調べている中でエッセンスを知りました。そこで初めて顧問(=プロパートナー)と企業をマッチングするというビジネスを知って、「そういう新しい領域があるんだ!」って面白いと思って。顧問っていうのもおじいちゃんっていうイメージしかなかったので(笑)
「新しい仕事文化を作る」というミッションもすごく輝いていたので入社を決めました。
その後エッセンスに入社してプロパートナーズ事業の営業をやっているうちに、「自分もパラレルで何かやってみたいな」という欲求が湧いてきて、2017年に「One HR」という人事系のコミュニティの立ち上げを行ったのと、もうひとつフリーランスの協会運営を行う事務局に参加しました。エッセンスの目指すこととも共通するんですけど、やっぱり日本の働き方とか人の活用の仕方ってまだまだアップデートできると思っていて。そのためには人事だったりHR業界のサービサーがそこに意識をもたないとアップデートされないな、という思いもあって、エッセンスとパラレルキャリアで活動しています。
ーーー前職やパラレルキャリアも含め、ずっと人のキャリアや働き方に携わって来られてるんですね!何かきっかけってあるのでしょうか?
島崎:「人の可能性を広げていく」ということをずっと意識しています。
母親が学校の先生なのでその影響を受けているのかなとも思うんですけど、僕自身子どもがすごく好きで、大学も教育学部出身で。
子どもの時って将来の選択肢ってめちゃくちゃ広いじゃないですか。例えば、早いうちにスポーツを始めていればプロの選手になれるかもしれない。
でも、大人になるにつれて実は人生の選択肢って狭まっていくんじゃないかと、考えていたんです。
そんな中で前職でのビジネススクールの運営を通して、誰か刺激を与える人が話をすることで、それを聞いた学生の中に「そんなことができるんだ、この人みたいになってみたい!」っていう思いが芽生えて、それまでになかった可能性が生まれるんだ、というのを実感して。
そういう風に、どうにかこの人の可能性を広げられないか?みたいなことをずっと考えてきました。
ーーー「可能性を広げていく」というのが島崎さんのキャリアの軸となっているんですね。
今後広げていきたい、働き方の可能性
ーーーまさに今エッセンスでなさっている事業も「可能性を広げる」というところにド直球だと思いますが、今後それをさらにどう伸ばしていきたいと考えていますか?
島崎:自分のスキルややりたいことに合わせて働き方を柔軟に選べるような仕組みに携わっていきたいと思っています。
今年、エッセンスで新しく「CAREER FLIGHT(キャリアフライト)」っていう、副業や兼業、業務委託、プロボノ(ビジネスボランティア)の案件を掲載しているWebのマッチングサービスを立ち上げたんです。
名前の通りキャリアを羽ばたかせるというコンセプトで、今の自分だったらまずプロボノからやってみようとか、そこで力をつけてお金をもらえるレベルになったら副業やってみよう、そこでいい会社と出会って転職してみよう、という風に働き方を滑らかにしていく。その流れを滑らかにできると、例えばライフイベントでいきなりキャリアを諦めなきゃいけないということも解消されると考えています。
ーーー働き方が滑らかになると、受け入れる側の企業にもメリットがありますよね。
島崎:まさに。プロパートナーズ事業にも共通するんですけど、優秀な人に来て欲しい、かと言って常勤できてくれたとしても活用しきれないし、その分の年収を払う余裕はないっていうこともありますよね。でも週1であれば受け入れられるというケースがあります。
あとは、これだけリモートワークが当たり前になれば、遠方の優秀な人材が出社せずに働いてくれるということも当たり前になると思います。
「あなたのこの部分だけください!」みたいなことが可能になる。まさにダシマスみたいに「企業のおダシの利いた部分だけつまみ食い!」という感じ。(笑)
ーーーおお!ダシマスとかけていただけるとは!(笑)
企業も個人も、キャリアやスキルの美味しいとこ取りができるようになると良いですね。
「新しい仕事文化」の波に乗る上で大切なこと
ーーー今、美味しいとこ取りなんていってしまいましたが、そもそも滑らかな働き方を望むなら、受け入れてもらえるだけのスキルが身についていないといけないですよね。
今後まさに新しい働き方が当たり前になっていく中で、その波に乗るために個人に必要なスキルって何があるでしょうか?
島崎:スキルはプロジェクトを進行するプロデューサーとある職種に特化するスペシャリストの2つに分かれると思うのですが、どちらも再現性が発揮できることが肝だと思います。
「あれ俺」詐欺ってよんでるんですけど、この会社でこういうことをやった、でも他社で結果を出せないと「これがないから」とか「こういう体制じゃないから」っていう言い訳をしてしまう人もいるんです。
他にも「部長できます。」って言う方がよくいるんですけど、「部長」という肩書きではなくて、同じように再現できるかがが重要。
その会社、そのチームだからできた、ではなくて、他の会社でも限られたリソースの中でベストな結果を出すために、計画を立てて行動していける人が求められると思います。
ーーー自分のスキルに再現性があるかを1社で働く中で判断するって難しい気もするのですが、確かめる方法はあるのでしょうか?
島崎:複数のプロジェクトをやったことがあるかだと思います。社内で同じ事業をずっとやってると、同じことを他でできるかってわからないじゃないですか。
「社内複業」とかって言いますけど、例えば社内で複数のプロジェクトのリーダーをやってて、それをしかも指示されたわけじゃなくて能動的にやることを通して、「再現できるな」って言うのを自分で確認していくことが大事だと思います。
ーーーなるほど!自分で自分に限界を作らず、いろんなことに挑戦する中で再現性が生まれるんですね、、勉強になります。
一方、1人が1社で長く勤めることが当たり前じゃなくなる時代に、企業側に求められることはどんなことでしょうか?
島崎:優秀な人がやめない会社を作るべきだと思っています。
社員が「自分のレベルだったら大体これくらいの年収がもらえる」っていう市場価値がわかっているけれども、やっぱりこの会社で一番働きたいんだというのが理想。
そのためには、「転職するな」ではなくてそれこそ「副業してもいいよ、プロボノしてもいいよ」というように外で学ぶ機会を推奨する。
でも、「やっぱり、どんなに外で学んでもやっぱりこの会社で働きたい!」と社員が思えたら、誰にもストレスがかからないとじゃないですか。
うちの事業を通してそういう世界観を作っていけたらと思っています。
ーーーたしかに、働き方が自由になって企業から人が離れていくのではなくて、企業にとってもプラスでないといけないですね。
可能性を広げるために、若い世代にできること
ーーー今進んでいる事業以外にも、島崎さんご自身が個人的に挑戦したいことはありますか?
島崎:教育と社会の断絶ってあるんですけど、それをなくすような活動はしたいと考えています。例えば子どもが電車に乗っていても、そこで見るのがものすごく疲れた顔をした大人たちばっかりだったりすると、子どものうちから「社会ってこうなんだ」と思っちゃうじゃないですか。
以前エッセンスで小学校の先生のインターンを受け入れたことがあって、その方は「生」の社会を体感して、今教育現場ですごく活躍されてて。
子どもがそういうきらきらしてる社会人に出会って、自分の将来を考えられる機会を作りたいと思っています。
ーーー素敵な大人との出会いを通して子供のうちから社会にわくわくできる人が増えると、明るい世の中になりますね!
島崎:やっぱり子どもには知識を与えるよりも、いろんな人と出会う機会を作ることが大事だと思います。
例えば差別が起こる理由だって、相手のことをよく知らないからじゃないですか。
知っていれば共感できるし、自分に何ができるか?を考えられると思うので。
ーーーいろんな人に出会うことで、視野も広がり可能性も増える、ということですね。
最後に、若い世代がこれから自分のキャリアの可能性を広げていけるよう、アドバイスをお願いします!
ぜひ、「精神的な同僚」を作って欲しいです!
これは私が副業に興味持ったきっかけと関係するんですが、ある日突然登録してるサイトからミートアップ(交流会)の案内が届いたんです。
その時私はミートアップというもの自体知らなかったんですけど、参加してみると会社の中では接しないような優秀な方がいて、すごく面白いアイデアを持っていたりとか、そこから社外のセミナーや飲み会に参加していろんな人と出会う楽しさに気づきました。
One HRを一緒に立ち上げる人に出会ったのも社外での交流がきっかけです。
やっぱり自分よりも目線が高い精神的な同僚がいると自分も目線が高くなるので、そういう人をもちろん社内で見つけられるのもすごくいいと思いますが、社外にも作って自分を高めていくということが大事かなと思います。
取材後記
「ハタラクミライ」の担い手として、プロパートナーズ事業、越境研修事業を通して新しい仕事文化を作っている真っ只中の島崎さん。
その背景にあるのは、ご自身が従来の働き方に囚われず「人の可能性を広げていく」というブレない想い。
一度も煮詰まることなくこちらの質問に具体的に答えてくださり、本気でミッションと向き合う方の確固たる知見の深さをひしひしと感じました。
そして、「たくさんのことに挑戦し、さまざまな人と出会い、自分のスキルや考え方を高めていくことがまず大切だ」という、これからの時代に働き方の可能性を自ら広げるためのアドバイスをいただき、まさに今社会人3年目の取材者自身の心にも深く刻み込まれました。
島崎さん、貴重なお話をありがとうございました!
そしてハタラクミライさん、これからよろしくお願いします!
企業HP
新しい働き方を応援するメディア「ハタラクミライ」
https://www.essence.ne.jp/hatarakumirai