学生さん達と伴走する人財担当者でありたい――ダブルツリー人事・植田さんの思い

ピンク

written by ダシマス編集部

1972年に創業し、岡山・香川を中心に事業を展開する株式会社ダブルツリー(以下:ダブルツリー)。軽自動車関連を強みとしたモビリティ事業と、地域住民に快適なライフスタイルを提案するコンフォタブルライフ事業の2つを展開しています。2025年岡山県就職人気企業ランキングで2位にも選ばれました

今回は同社で人事・採用を担当する植田 七菜子(うえだ ななこ)さんに取材し、自社のミッション・ビジョンに込めた思いや人の採用において大事にしていることを聞きました。

人事総務課 人事グループ 植田 七菜子(うえだ ななこ)さん

人事総務課 人事グループ 植田 七菜子(うえだ ななこ)さん

岡山大学グローバルディスカバリープログラム卒。 2022年事務職として入社し、点検に来られるお客様の接客や受付業務を行う。 2023年6月より人事グループへ。 主に新卒採用を担当。インターンシップの企画運営や学生との面談など幅広く活躍中。

執筆:大久保 崇

執筆:大久保 崇

『ダシマス』ディレクター。2020年10月フリーランスのライターとして独立。2023年1月に法人化し合同会社たかしおを設立。“社会を変えうる事業を加速させ、世の中に貢献する”をミッションとし、採用広報やサービス導入事例など、企業の記事コンテンツの制作を支援する。

モビリティ事業を主軸に、余暇ビジネスも展開

――まず、ダブルツリーさんの事業について教えてください。

ダブルツリーの主軸はモビリティの事業です。52年前(取材:2024年6月)自動車の修理工場から始まり、現在は岡山・香川で販売台数、車検台数ともにトップクラスになっています。

事業内容は主に軽自動車の販売、点検、自動車の鈑金修理、キズヘコミ修理、自動車の保険など、自動車に関することなら何でも対応できる体制を整えています。店舗数や事業の幅も拡大し、着実に成長を続けているのが現状です。

 

 

中古車販売から軽未使用車への転換期には、軽自動車は売れないと言われ大反対されていたそうです。ですが現会長が将来を見据え、日本の技術が結集された軽自動車に注目し、その方針を変えなかったおかげで今の会社があります。岡山は車社会の地域です。軽自動車は維持費が安く、幅広い世代の方が乗りやすくて地域性にも合っています。

また、今は軽自動車だけでなく普通自動車も取り扱っています。始めた当時は中古車をメインに販売していましたが、新古車を多く展示するスタイルに変え成功しました。この頃から、ダブルツリーの前身である「くるまのハヤシ」という会社の知名度が高まっていき、大きく成長していったと思います。

もう一つのコンフォタブルライフ事業は2019年から始まり、現在、カフェ、フィットネス、観光の3つの事業を展開しています。

自動車事業が大きく成長してきたものの、経営として考えた際に、柱となる事業を増やすことが必要でした。既存事業の深掘りも大切ですが、新しい事業を始めることで地域への貢献、雇用創出、認知度向上などにつながると考えています。

 

 

その中で、社長が特に注目したのが“余暇ビジネス”です。仕事帰りにフィットネスに立ち寄ったり、地域の方々が利用しやすいグランピング施設を作ったりと、「地域にあったらいいな」と思うようなビジネスを展開しています。自動車を使って移動した先のビジネスを作っていこうという考えから、余暇というジャンルに着目しました。

また、本社近くには倉敷美観地区という有名な観光地があり、そこでも物件を所有しています。社長の地元でもあることから、倉敷美観地区の活性化にも貢献したいという思いで、観光ビジネスも始めました。これらが、現在のコンフォタブルライフ事業の土台となっています。

 

――それぞれの事業では、今後どのような展望を描いているのでしょうか。

モビリティの分野では、新しい店舗の出店ですね。現在、岡山に3店舗、香川に2店舗ありますが、遠方から来られるお客様も多く、中には1時間以上かけて点検に来られたり、自動車を買いに来られたりしているため地域を広げたいと考えています。

コンフォタブルライフ事業では、倉敷美観地区を中心とした観光地の盛り上げをさらに加速させたいと思っています。現在、グランピング施設が好調なので、宿泊などの事業にも年々、力を入れているところです。

 

地域の「持続的で最適な“移・⾷・住”」 を実現する

 

――ダブルツリーさんが掲げるミッション、ビジョンについて教えてください。

弊社のミッションは、地域の「持続的で最適な“移・⾷・住”」 を実現することです。はやり廃りのビジネスを追求するつもりもなく、持続的に続けられ、地域住民に長く愛されることを重視しています。

また衣食住の“衣”を、移動の"移"に置き換えているのが特徴です。

これは地方の課題だと思いますが、現在の公共交通網が劇的に発展することは難しいと考えています。路線バスが廃止されるなど、どちらかといえば縮小傾向に。そんな地域における交通手段の要は自動車です。弊社のミッションには、地域住民の大事な移動手段に貢献していきたいという思いが込められています。

そして“移”ができたら次は“食”と“住”です。休日に訪れたくなる場所、仕事帰りに寄ってみたくなる場所、観光で行ってみたくなる場所などを提供します。

こうした軸で地域貢献を果たすというのが、私たちのミッションです。

 

――植田さんもこうした会社のミッションに惹かれて入社を決めたのでしょうか。また、入社前と入社後で何か印象で変わったことはありますか。

そうですね。実際に入社してみて感じたことは、想像以上に経営陣の思いが反映され、社員のみんながミッション、ビジョンを意識していたことです。人事になってから、幅広い部署の社員や役員と接する機会が増えたので特に感じます。

 

――具体的にどういったところで感じられたのでしょうか。

一番はビジョンの中にある「物心両面」です。私たちが働く環境を、社長が一番考えてくれていると感じます。

 

〈ダブルツリーのビジョン〉

 

具体例ですと、売り上げがしっかり出せているから還元しよう、ということで、ここ数年は基本給が毎年上がっています。また、新しい事業の責任者を決める際には経験や能力を見て選出しますが、それだけでなく社長は必ず「本人がやりたいと思っているのかな」ということを考え、本人に確認します。

会社としてもやりたい人、前向きに捉えている人に任せたいという考えもありますが、本人の意思を尊重してくれるのは社員として安心できます。社員とその家族が幸せでいられるよう、環境を整えようとしてくれているのが伝わってきます。働いている身としては考えていただいているのがうれしいですし、そういう人についていきたいと思えます。

私は人事として、こうした会社の魅力を発信し、仲間を増やしていくことも大事な仕事です。ミッション、ビジョンに共感してくれる方々に入っていただき、一緒に会社を強く、大きくしていきたいですね。

 

候補者との数多く接点を持ち、互いが知る機会を大切にする

――職場の雰囲気について教えてください。お話を聞いていると、社内の雰囲気が良さそうな印象を受けました。

そうですね。実際、3年働いてみて私もそう感じています。

弊社は平均年齢が31.4歳で若い人が多い会社です。新卒が毎年15名前後、多いときは20名以上入ってくることもあります。

活気があり、部活動やサークルの雰囲気に近いところがあるのが特徴ですね。例えば、休日は社員同士でサッカーや野球をしています。会社は関係ない自主的な部活で、店舗や年次に関係なく好きな人が集まっているんですよ。先輩の家でご飯を食べたり、旅行に行ったりと、社員同士のつながりを大切にしていると思います。

 

――植田さんご自身も、今の職場環境はどう思いますか。

とても相談がしやすい環境です。私はまだまだ若手ですが、上司と接する中でこちらの意見を聞いてもらえたり、反映してもらえたりするのは大きいですね。

あと、若手の社員からは「人間力の高い先輩が多く、尊敬できる方々がたくさんいる」という声を多く耳にします。

私たちは採用段階で、素直さ、前向きさ、勉強熱心さを見ていて、スキルよりも人間性を重視しています。そのため、価値観が似ている人が多く、たとえ意見の食い違いがあっても互いに信頼できるので関係が悪化するようなことにはなりません。

 

――採用時に人間力を指標にされているとのことですが、それはどのように判断されているのでしょうか。

弊社は、採用に至るまでに接点を持つ回数がとても多い会社です。多い方で10回以上お会いすることがあります。だから一人一人と話し合える機会が本当に多いんです。

インターンシップは6月頃から始まり、職場見学も頻繁に行っています。中には月に1回のペースで会う方もいて、お互いのことをよく知ることができます。関係性が構築できれば、より深いところまで話ができるようになり、初対面では掴みづらい人間性も見えてきます。接点を重ねてコミュニケーションを取ることを大事にしているからこそ、入社後のギャップも少ないのだと思います。

また、弊社には「全社採用」という文化が浸透しています。採用チームだけでなく、全員で採用するという考え方です。現場社員も合同説明会やインターンシップに参加し、面接も1対1で対応していて、会社全体で採用していくことを大切にしています。

あと社内の採用とは違うのですが、岡山で就活する学生さんを応援する就活支援にも力を入れています。

 

 

――就活支援とは、具体的にどのようなことをされているのでしょうか。

昨年はグランピングの施設で数社が集まり、学生さんも50人ほどが参加して、各社のテントを回って座談会をするというイベントを行いました。また過去には、自社の採用とは関係なく、面接対策講座やエントリーシート講座を学生支援団体や企業とコラボして開催したこともあります。

コロナ禍の影響で一時期は機会が減りましたが、昨年から緩和されてきたので再開しています。学生さんに運営を手伝ってもらうこともあるんですよ。

 

――なぜそこまで採用に力を入れたり、学生の就活支援をしたりするのでしょうか。

弊社が新卒採用を始めたのは20年ほど前ですが、それまでは即戦力になる中途採用が中心でした。ただ一方で課題もあって、長く続けられる方が少なかったんです。

そこで、長く働きたいと思ってもらえる会社を作りつつ、一から社内で教育する新卒採用を本格的に始めることになりました。若さや吸収力、次の世代を作っていくことを重視したんです。

就活支援に力を入れるのは、岡山から県外に出る方も多い中、地域貢献の一環として地元で働きたい学生さんを応援したかったからです。地元で働く楽しさややりがいを伝えることで、地域の雇用促進や岡山・香川の活性化につなげたいと考えました。

 

ほぼ転職に近い異動。キャリアの幅が広がる職場

――この記事を読んでくれた、求職者や学生の方へ伝えたいことはありますか。

弊社に入社する方のおよそ8割は、“人”が魅力的だと感じて入社しています。人柄、社風、風通しの良さ――。これらが弊社にはあると思っていますが、文面だけで伝えきるのが難しくて……。だから実際に来て実感してもらいたいです。

今はオンライン面接も浸透していますが、やっぱり仕事内容や職場環境、一緒に働く人をしっかり見ることが一番大事だと私は考えています。誰に見せても絶対にいい会社だと思っているので、ぜひ実際に来てみてください!

また、事業も自動車だけでなく様々な分野で展開しているので、社内だけでもかなりキャリアの幅が広がると思います。例えば、自動車販売の営業から数年後にはグランピング施設の総支配人になるといったこともあり得ます。ほぼ転職に近い異動、こうした経験ができる会社はなかなかないのではないでしょうか。

育産休からの復帰率も100%。多様な働き方を受け入れ、多くの人が長く働けるよう様々なポジションや役割を用意しているところです。そんな成長中の会社に入って、自身も成長できるというのは、今だからこそできるやりがいがあると思います。

 

――植田さんはそもそも、なぜダブルツリーを選んだのでしょうか。

一言で言うと、一番ワクワクする会社だったからです。私が入社した当時はコンフォタブルライフ事業が始まったばかりでした。自動車だけでなく全く違う事業をやっていこうとしていて、大変かもしれないけれど成長できそうな会社だと感じたんです。

あと、最初の面接で社長と話をし、「この人についていったら間違いない」「この人が描く世界はすごいな」と感じたことも大きかったですね。グランピングのことや倉敷美観地区などの地域を盛り上げようとする話が印象的でした。私も地元に残って、岡山が良い県だと思ってもらえるような仕事をしていきたいと考えていたので、未来予想図が一致した気がしたんです。

 

――植田さんが、採用人事として大事にしている考え方や思いを教えてください。

私の目標は、関わった学生さんに「あの時の採用担当の植田という人が人生を変えてくれた」と思ってもらえるような採用担当になることです。

就職は学生さんにとって人生の大きな選択なので、その決断に携わる責任感を持ち、寄り添ったり後押ししたりできる存在でありたいですね。

 

ダブルツリーについて

ホームページ:https://d-tree.jp/

採用情報:https://d-tree.jp/recruit/requirements/

 

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  • hatena
株式会社ダブルツリー