<第二新卒向け>まさに隠れヒーロー!和三盆メーカーばいこう堂(株)の品質を守る彼の真ん中にあるのは「食べることが好き」
written by 田野百萌佳
「見て感動、食べておいしい」をコンセプトに、香川県産のさとうきびをつかった和三盆糖の製造、販売をしている老舗企業、ばいこう堂株式会社様(以下敬称略)。
今回は、”好きを仕事に”を叶え、お客様へばいこう堂の製品を安心安全に届けたい!と日々奮闘中の石丸さんにお話を伺いました。今の仕事にやり切れないモヤモヤを感じている方や、ただただ仕事が忙しくやりがいを見失っている方にも読んでいただきたいと思います。
インタビュイー:石丸 満大さん
広島県出身。大学では食品関係の学部を専攻。
新卒でお菓子企業に入社し、品質管理として3年間勤務したのちに、
昨年ばいこう堂株式会社の品質管理部へ転職。
食べることが好きで、最近のブームは休日のうどん屋さん巡り。
「香川県のうどんはやっぱりおいしいですね。」
インタビュアー:田野 百萌佳
キャッチコピーは「五感を語感に。分かち合いたいのはリスペクト。」
求人作成からブランディングまで、お客様の採用成功に伴走するインビジョンのカスタマーサクセス。
ユニークでかわいいお菓子に惹かれ、ばいこう堂への転職を決意
ーーー前職でも品質管理のお仕事をされていたと伺っておりますが、品質管理のお仕事に興味を持ったきっかけはなんですか?
もう、やっぱりシンプルに”食べることが好き”で、好きなことを仕事にしたいなと思いました。
というのも、大学の頃から「いつか将来は食品企業で仕事をしたいな」と思っていて。食品安全のことなど、今よく聞く”HACCP(ハサップ:製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法のこと)”を学んでいたので、元から品質管理に興味はありました。実際に食品製造に関わる中で、学んできてよかったと思うことがよくあります。
前職では、サツマイモを使ったスイートポテトなどを作る会社に勤めていて、そこでは主に工場での製造部門がメインだったんですけど、途中から品質管理の仕事も少しずつやらせていただいていました。製造部門で働く中で、こういう取り組みをしないといけないっていう決まりがいっぱい出てきて、それをなぜしないといけないのかを考えることが多々あり、「次は大学で学んだ知識を活かせるような品質管理の仕事をメインでやっていきたいな」と思ったのがきっかけです。
ーー食品を作る上で心がけなきゃいけない、核の部分を考える立場に回りたいと思ったんですね。今回、ばいこう堂の品質管理部への転職を決めた理由を聞かせてください!
食品企業に絞って転職活動をしてたんですけど、いろんな企業を見ていた中で洋菓子とかお惣菜などよく見る商品はいっぱいあって。でも、和三盆を使ったお菓子はなかなか見なかったので興味深かったです。最初のイメージは「ちょっと上品なお砂糖」ぐらいのイメージだったんですけど、実際に求人を見てそこからホームページとかを見る中で、いろんな形のお菓子があったり、キャラクターとコラボしていたり・・・すごいユニークだなと思って魅力を感じました。
ーーなるほど、ユニークさに惹かれたんですね。石丸さんが思うばいこう堂の魅力とは?
やっぱりそのまま見た目のかわいさと砂糖の口溶けですかね。ほんとにそこは入社してからも入社する前も、すごいなって思うところです。
ばいこう堂の安心安全を作る、品質管理部の働きとは
ーー前職ではサツマイモを扱っていたとのことですが、同じ工場の仕事でも全然違うところがあったと思います。ばいこう堂に入社してから一人前になるまでは、どんな研修を受けてきたんですか?
そうですね。前職ではサツマイモをメインに担当していて、和三盆糖をメインに扱うことはなかったので、まずは現場で1ヶ月間ぐらい製造の体験をやらせていただきました。その中で、どういう管理の仕方をしているのか、衛生面でどういうところを気をつけてるのかを意識しながら研修していただいて、思ったより難しいんだなって気付きました。そのあとは、先輩スタッフから実際に行っている品質管理の日々の検査や、記録の管理を学びました。
品質管理の仕事って記録の取り方など決まっている部分はあるんですけど、そうでない部分もあって。例えば、なにかトラブルがあったり意見をいただいたりしたときに、そこに対応していくには全く同じやり方はないので、先輩スタッフの方々から話を聞いたりして「こういう案件だったらどんな対応していこうか」っていうのを実際にやりながら研修していくような形でした。
ーーお仕事の1日の流れを教えてください。
基本的には、自分は品質管理部の事務所で記録書類を見たり検査をしたりして、それが終わると一旦現場に出ていって対応をしていくような形になります。
まず朝来たら、現場で使用している機械が正常に動いているかどうかの検査を行います。次に、それらの設備を見ながら現場で書いていただいた記録類を集めて確認等をしていきます。ばいこう堂では干菓子だけじゃなく、まんじゅうなどの生菓子も作っているので、賞味期限切れの材料を使っていないか、菌が入っていないかといった検査もします。
あとは、現場の責任者の方々と話す機会が多いので、「現場で何か困ってることや改善したいことはありませんか?」という話もしたり。そこで出た内容に対して対策を考えて、それをまた現場の方と話して、実際に落とし込んでいきますね。
他には、営業部の方から連絡が来て、取引先から書類の記入を求められたり、商品の検査結果が欲しいなどの問い合わせがあった時に必要な書類を揃えて提出したりもしています。
ーー現在、毎日のお仕事はルーティンみたいな感じですか?
1日の流れがガッツリ決まっているわけではないんですけど、2・3時間ぐらいはどうしても早めにやらないといけない流れが決まっていて。お菓子の検査であったり、使用している設備の検査、あとは商品を作った時の記録が現場から上がってくるのでその確認は絶対に外せないルーティン業務ですね。そのほかには、工場での作業を行うために機械の導入が必要なときには、外部の業者の方と調整して、実際に現場を見てもらって「こういうやり方や、こういうものがありますよ」などのやり取りもしています。
ーー社外の方とのコミュニケーションもとられるんですね。外に出向いてお話を聞きに行くこともあるんですか?
はい、あります。ばいこう堂に来ていただいた時にお話しすることもあれば、社外に出て行って逆にお話をすることも。自分が感じているちょっと不安なところを聞いて、その場で教えてもらったりすることもあります。
実際に体験することでわかる、ばいこう堂の高度な技術
ーーばいこう堂に入社して驚いたことや感じたことはありますか?
研修期間に実際に製造の作業をさせてもらったり見せてもらったりする中で、「思ったより大変なんだな」というのはすごく感じました。
お干菓子でいえば、すごく簡単そうに見える花の形の型打ち。現場のみんなの作業を見ると、手の動きが早いんです。でも、いざ実際に自分がやってみると、ちょっとでもお砂糖の詰め方が甘かったら端っこが崩れてしまったり。あんなスピードでできるのは、やっぱ技術が必要なんだなって感じました。
管理の仕方にも驚きましたね。商品が変わればこんなに違うものなのかと。
品質管理は、”人”にしかできない仕事
ーー働いていて楽しいなと思うのはどういうときですか?
特に”和三盆”って今まで全然知らなかったので、本当に面白い。品質管理の仕事も改めて面白いなって思わされますし、「和三盆作りってこんな風なんだ、面白いな」って思うことが本当によくあります。
また、製造現場の方と一緒に改善をしていってるときがいちばん楽しいです。日々のルーティン業務だけだと、やっぱりどうしてもあんまり楽しくないというか。「もっとこういう改善をしないといけないんです!」っていうのを現場の方に説明をして、現場からも「そんな急に変えられても困る」と反発が来ることももちろんあるんですけど、お互いに譲れない点を挙げていって製造現場と折り合いをつけながら現実可能な方法を見つけて改善していくっていうところはすごい楽しいですね。
やっぱり本当に品質管理は”人”にしかできない仕事だなと思います。検査などは機械があったらできる時代になっているので、それにどういうやり方を加えていくかっていうのを考えるのがすごい楽しいです。
ーー石丸さんが品質管理の仕事をする上でのこだわりを聞かせてください!
品質管理部なので”安全安心を作る”っていうところですよね。
商品を作る時に製造現場から、「こういうやり方をしてみたい」「このやり方は食品安全の面から見ていいのか悪いのか教えてほしい」などと質問をされることがあります。自分も全部をわかってるわけじゃないので、いろいろ調べながら「やっぱりここのラインは絶対に外せないのでここは守ってください」というふうに自分の意見を伝えたりします。
自分はまだ入社して1年も経ってないんですけど、本当にいろんなことをやらせてもらっていろんな意見も出させていただいてます。
ーー手作りの現場で少ない人数でやっている中、どんなところにやりがいを感じますか?
やっぱり、学びがあることですかね。実際に現場の方と話してみて、「和三盆のお菓子ってこういう風に作ってるんだ」っていう学びもあれば、外部の方からお話を聞いた時に、「今の食品安全を行っていく上で、衛生管理についてこういう点をもっと注意してください」などの意見もいただいたりするので、本当に毎日毎日いろんなことを学びながら、その中で品質を大事にっていうのがやりがいかなと思ってます。
その甲斐があって、ばいこう堂の工場はJFS規格の適合認証をいただいています。
ーー今いちばん改善したいところってどこですか?効率なのか、安心安全なのか、いろいろあると思うんですけど。
前職でもばいこう堂の研修期間でも製造の業務を経験しているので、現場の効率をあげたいっていう気持ちはすごくわかる。でも、効率と品質って結構反比例していくというか・・効率ばっかりを意識しちゃうと安全面がおろそかになってしまって、逆に品質ばかりを求めると効率面が落ちていくので、効率面と品質のバランスのいいところを見つけていくっていうのを意識してますよ。
ーー石丸さんが思うばいこう堂の伸びしろがあれば教えてください。
和三盆づくりは伝統的なお菓子作りのひとつなので、良くも悪くも昔から変化しない面が少しあるのかなって。衛生に対する意識というか考え方を、もっと全体に行き届くような形にもしていきたい。
もちろん昔ながらのやり方っていうのもいいんですけど、衛生面についてお客様から求められていることだったり、新しい技術などを取り入れてもっと改善していくべき点っていうのはまだあるなと思うので、自分から働きかけて変えていきたいなと思っています。
ーーその中でも、直近で変えたいなって思っていることがあったりするんですか?
もちろんあります。昔から使っている機械があるんですけど、今は何も問題がなくても、自分から見た時にこの機械をずっと使い続けたら異物混入など安全面のリスクが少しあるなっていうのを感じていて。それをなんとか別のものに変えられないかなっていうことに取り組んでいます。
自分の考えを持って行動できる人と働きたい
ーー最後に、石丸さんが一緒に働きたいのはどんな人ですか?
そうですね、やっぱりいろんなことに興味を持って、自分の考えを持って行動できる人かと思います。
たとえば他社の商品を見たりとか、テレビで工場見学の番組を見たときに「ああ、こういうのってもしかしたら自分の工場でもできるのかな」「これってどういう風に管理してるのかな」って、いろんな興味を持っていろんな情報を集めて、それを仕事に活かしていける人がいいなと思いますね。
工場内で同じような事例が起きたときは、前例を元に対応ができるんですけど、どうしてもゼロからやっていかないといけないこともあります。そういったときに、今まで集めてきたデータを見ながら「こういう風にやってみよう」「こういうものを使ってみよう」と考えてやってきているので、自分の考えを持って動くことができる人が応募してくれたら嬉しいなって思います。
=取材後記=
品質管理への想いを語る石丸さんの表情からは、仕事に対する熱量が伝わってきました。
今回の転職には”ワークライフバランスを見直したい”という理由もあったといいます。ばいこう堂は残業が少なく基本的に定時に上がれるので、大好きなアクション映画を観たりうどん屋さん巡りをして過ごしているそう。心と体の健康が、日々のパフォーマンスを上げているのですね。
これからも多くの人に愛されるばいこう堂の安心安全を守っていく、そんな強い意志をひしひしと感じるインタビューでした。
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