レベルの高い保安と稼働率98%以上の徹底した保全。アテツ石灰化工の働きやすさの実態に迫る
written by ダシマス編集部
アテツ石灰化工株式会社(以下:アテツ石灰化工)は、石灰製造業を営む岡山県新見市の企業。実は製鉄、化学、土木建築、食品添加物、肥料など多くの領域で使われ、私たちの生活を支えている石灰。そんな欠かせない石灰の製造に、1970年の設立から約50年間、技術力と保安意識を大切にしながら取り組んできました。
今回はアテツ石灰化工の技術力を担う技術課の分部健一さんと、門侑司さんにインタビュー。アテツ石灰化工で働く面白さや、同社の働き方についてお聞きしました。
技術課 主任:分部 健一(わけべ けんいち)さん
1984年生まれ。新見市出身。高校卒業後、新見市内の電気工事会社や電子製造会社で勤務したのち、2012年にアテツ石灰化工に入社。プライベートでは、小学生を筆頭に3人の子どもを持つ父親でもある。
技術課:門 侑司(かど ゆうじ)さん
1987年生まれ。新見市出身。新見市内の石灰化工会社や郵便局での勤務を経て2016年にアテツ石灰化工に入社する。分部さんと同じく3児の父。趣味は爬虫類や魚、鳥、犬など数十種類を超えるペットの飼育。
執筆:川又 瑛菜(えなり かんな)
フリーライター。求人広告代理店や採用担当などHR領域の経験を活かし、企業へのインタビュー記事や採用広報記事、イベントレポートを中心に執筆している。フランスでの生活を目指してフランス語を勉強中。読書と人文学が好き。
「石灰ならアテツがいいぞ」背中を押したかつての上司の言葉
――お二人がアテツ石灰化工に入社した経緯を教えてください。
分部健一さん(以下:分部):僕は2003年に岡山県立新見北高校(現・岡山県立新見高校北校地)の電子機械科を卒業しました。地元での就職を考えており、電気工事士2種の資格を高校で取得したので、資格を活かすために地元の電気工事会社に就きました。そこで5年ほど働いたのち地元の電子部品会社に転職し、プリント基板製造に携わります。
夜勤もありましたが、特に苦ではなく楽しく働いていたんです。ただ、結婚を機に「もう少し安定した会社で働きたい」と考えるようになり、知人の紹介をきっかけにアテツ石灰化工に入社しました。
門侑司さん(以下:門):2005年に分部さんと同じ高校の電子機械科を卒業しました。卒業後は石灰化工会社に就職し、今と同じく石灰焼成炉の管理などの業務を行っていましたが、そこに3〜4年ほど勤めたのちに、サービス業への興味があったので郵便局に転職します。郵便局では7年くらい働いていましたね。郵便局を退職したのは、やっぱり地場産業である石灰業に携わりたくなって、地元の石灰化工会社で働きたいと考えたからです。
新卒入社で働いていた石灰化工会社の上司とは、退職してからも繋がっているのですが、その方に聞いたら「石灰ならアテツがいいぞ」と言われて。それで「あの人がそんなふうに言うなんてどんな会社なんだろう」と気になって応募しました。
――現在はどのようなお仕事に取り組まれていますか。
分部:主任となってからは、現場管理を主に行っています。7:30に出社して、技術課内の朝礼からスタート。この朝礼が重要で、夜勤の人との引き継ぎもここで行います。また、生産状況や作業内容と注意事項なども共有します。仕事のなかで特に大切にしているのがメンバーの体調管理です。石灰焼成炉周辺は非常に温度が高く、夏場だと60度を超えることもあり、非常に体力を消耗する作業もあるので、体調が優れない場合は、プラント内の巡視・清掃へと役割を交代することもあります。こうして現場が安全に稼働するための環境を整えることが、現在の僕の仕事です。
門:技術課では、分部さん、河原課長代理、試験開発担当の安井さんを除いた7名が交代で、24時間365日、石灰を化工するための焼成炉の操業を行っています。夜勤は一人で行いますが、日中の業務は基本的に2人ペアで行います。炉内16カ所にカメラが設置されているので、そのカメラが映し出す映像をモニターでチェックしたり、温度や風量、圧力のデータを管理したりするオペレーターと、炉で保全作業をする保全担当に分かれています。
勤務形態は、7:30~15:30/15:30~23:30/23:30~7:30の三交代制です。夜勤を5日したら2日休み、また別の勤務を5日間やって2日間休む、という形で回しています。新卒で入った会社も同じような3交代制でしたが、3日ごとのサイクルでした。僕としてはスパンが長い今の方が楽だなと感じています。このサイクルは完全に固定されているわけではなく、子どもの行事や家庭の都合にあわせて、勤務を交代してもらったり休ませてもらったりもしています。
――みなさんで協力して、24時間365日の稼働を実現されているんですね。お仕事をする上で、どんなことを心がけておられますか?
分部:コミュニケーションや情報共有を大切にしています。主任という立場上、メンバーに仕事を依頼することは多くあるのですが、その際、「自分が伝えたと思っていること」と「相手が言われたと感じていること」の認識が必ずしも一致しているとは限りません。時にはズレが発生してしまうこともある。そのズレをできるだけ発生させないように、という気持ちを常に持っています。
そんな気持ちがあるものだから、時には話が長くなってしまって「分部さん話長い。そんな一から十まで言わんでいいのに」と言われるんですけどね(笑)。それでも、丁寧なコミュニケーションは続けていきたいと思います。
門:石灰の焼け具合に直結する、油のコントロールを一番大切にしています。同じ配管をずっと使っていると、油の流れが悪くなったり詰まったりすることがあります。うちでは10本のバーナーを使って石灰を焼いていますが、配管のトラブルによって油の量が少なくなると、油の少ないバーナーがある場所だけ焼けが悪くなってしまうんですよね。そうなることなく、均等な成品ができるように細心の注意を払っています。油だけでなく、圧力や風量など、いつもと違うところがないかをオペレート画面でしっかりと確認するのは非常に気をつけていますね。
日々の保全や心がけが作る働きやすさ
――現在の技術課は、どんな雰囲気ですか。
分部:石灰化工の経験がある人もいれば、まったくない人もいるし、バックグラウンドはみんなさまざまです。でも、みんな自分の強みを活かして活躍していますね。前職で溶接や配管工としてやってきたメンバーにはプラント(工場設備)の保全をお願いすることも多いです。門さんは郵便局で培ったコミュニケーション力を活かして、社内の潤滑剤的な役割を担ってくれています。
門:潤滑剤というか、ただいじられているだけな気もしますが……(笑)。でも、30代中心の組織でみんな同年代なので、雰囲気が良くて話も合うし、とても仲の良いチームだと思います。休憩室でみんなでくだらない話で盛り上がることもありますし、よくワイワイしてますね。
――すごく仲がいいんですね。会社の制度や文化面で、何かいいなと思うことはありますか。
分部:まずは学びに対するサポートをしっかりしてくれることですね。業務において資格が必要になることもありますが、サポートもあるし合格したら祝い金も支給されるので、意欲的に取り組めるのではないかなと。フォークリフトや移動式クレーンなどの技能講習も多いです。僕自身も大型免許を取りに行かせてもらいましたし、入社して半年くらいは講習をしながら、しっかり学べる環境が整っていると思います。
また、設備も充実しています。お風呂や洗濯機があるので、帰ったら寝るだけの状態にして帰ることもできますし、休憩室にはキッチンや食器もあるので、そこで料理をすることもできます。それ以外にも、業務を行う焼成炉が高温となることを考慮して、熱中症対策としてスポーツドリンクや経口補水液も用意されています。社員が働きやすいように環境整備を行ってくれているのを感じますね。
保安に関しても、親会社の日鉄鉱業に準じているので非常にレベルが高いです。これもアテツ石灰化工の強みだと考えています。実際に中央労働災害防止協会の無災害表彰を受けていますし、無災害の記録は今も継続しており、安心して働ける環境なのではないでしょうか。
門:2年に一度の社員旅行ですかね。行くメンバーで行き先も決められるのが大きな特徴です。今回は徳島で、前回は三重や京都に行きました。会社の補助内に納めず、自分たちで少しお金を出して北海道や沖縄に行くこともやろうと思えばできるので、そういう柔軟性はとてもいいなと感じています。
また、保全がしっかりしていて、自動化も進んでいるので、ほぼ毎日定時に帰れる環境なのもありがたいです。基本的に自動制御された設備で行われているので、今日みたいにインタビューを受けたりみんなでくだらない雑談をしたりもしやすい環境です。むしろ雑談できることがいいことなんです。バタバタしているということはトラブルが起きて対応しているということですから。トラブルが起きないようにゆとりを持って計画的に予防保全も行っているためか、稼働率98%以上とほとんどトラブルのない環境を実現できています。
あとはなんと言っても有給が取りやすいのがいいですね。仕事の日でも、日勤だったら15:30に仕事が終わるので趣味の時間も取りやすいです。僕の趣味はペットですが、車いじりが好きな人や葡萄農家の人もいて、それぞれプライベートを充実させています。
――お二人ともお子さんが3人いらっしゃるそうですが、貴社のような働き方だとお子さんとの時間も充実させやすいのではないでしょうか。
分部:門さんも言っていたように定時が早いので、たしかに仕事が終わったあとの時間は多くありますね。僕は帰り道に子どもの通っている子ども園があるので、迎えに行って一緒に帰ったり、小学生の子どもの宿題をわかる範囲で教えたりしています。管理や保全作業をすることで残業も多くなりますが、定時が早いから残業しても夜遅くなることもなく、いつも一緒にご飯を食べたり遊んだりできています。
門:僕も家に帰ってからは、子どものゲームに付き合ったり共働きなので食事を作ったりしています。料理は僕の趣味でもありますし、自分で作れば自分の食べたいものを食べれるので、楽しく取り組んでいます。
苦手意識のある人でも活躍できる環境
――アテツ石灰化工で働くのに向いているのは、どんな人ですか。
分部:難しい質問ですね。溶接や配管、電気などプラント保全に役立つ経験があるに越したことはないですが、そうではない人、むしろそれが苦手だと感じる人でも活躍できる職場だと思います。
門:そうですよね。みんな親身に教えてくれるし、できないからと言って放り出すようなことは絶対にないですし。
――どんな経験を持つ人でも大歓迎!ということですか。
分部:そうですね。安全が第一ではあるので、その点に注意してしっかりと仕事を行ってくれる方であれば、あとはどんな方でもきっと活躍できると思います。基本的に最初は一人で仕事をすることはありませんし、先輩について覚えていってもらいます。入社から半年間、昼勤での業務を学んだあと、半年後には二人体制で夜勤に入ってもらうようになり、入社から一年後に独り立ちします。もちろん吸収が早い人であればどんどん任せていきますが、成長がゆっくりであっても、最低限のことはできるようになるはずです。故障やトラブルにもいくつかパターンがあって、マニュアルも整備されているので、安心して飛び込んでもらえればと思います。
門:僕もどんな人でも成長できる会社だと思います。手厚く教えていきますし、きっと年が近いからわからないことも聞きやすいんじゃないかなと。もし一度聞いたことをまた聞いても「前も言ったじゃろ(笑)」と言いながらも教えてくれるはず。石灰の仕事が未経験でも、勇気を持ってアテツ石灰化工の門を叩いてもらえればうれしいです。
アテツ石灰化工株式会社の採用情報について
https://hr-hacker.com/atetsusekkaikako