介護の垣根を超え、医療・福祉機能も展開。利用者の暮らしを第一に考えるアムールに流れる「良かれ」の精神とは

パープル

written by ダシマス編集部

長野県に拠点を構え、介護支援を中心に高齢化社会を支えている社会福祉法人 アムール。老人ホームや高齢者向け住宅などの入居系サービスから、住み慣れた我が家で支援を受けることができる在宅系サービス、さらには訪問看護やリハビリなどの医療ケアと、その事業は多岐に渡ります。

今回お話を伺ったのは、そんなアムールで理事・人事部長を兼任する村山 五月(むらやま さつき)さんです。元々は異業種で働いていた村山さん。介護業界へ足を踏み入れた当初は、理想と現実の間で思い悩むこともあったそうですが、アムールとの出会いを通して意識が変わったといいます。働く職員の「良かれ」を全面的に尊重するアムールが持つ愛と感謝の文化について、取材しました。

理事・人事部長 村山 五月(むらやま さつき)さん

理事・人事部長 村山 五月(むらやま さつき)さん

長野県木曽郡出身。山梨学院大学卒業。学生時代は陸上競技部に所属。卒業後、陸上競技を子ども達に普及、育成。中学、高校、大学スポーツのフィジカルトレーニング指導に従事。長野に帰省後、社会福祉法人に勤務。整形外科への転職を経て現在の社会福祉法人アムールに勤務。派遣職員として勤務開始。デイサービスに配属。2ケ月後新規デイサービス管理者として配属。その後、グループ内デイサービスを管理者として異動。統括責任者を経て現在に至る。趣味:スポーツ観戦(長野出身選手を応援したくなる信州愛を前面に出します!)

「良かれと思って」の行動を推奨する文化。利用の暮らしのため、ボーダレスな支援を実現

 

――まずは、貴法人の概要や事業内容について教えてください。

社会福祉法人 アムールは1988年に創業し、現在長野県内に21の事業所を構えております。「医療・介護・福祉の境界のない『ボーダレスな社会福祉法人』」を掲げ、訪問介護などの在宅系サービス、老人ホームなどの入居系サービス、訪問看護やリハビリなどの医療連携サービスと、幅広い事業内容で利用者様を支えています。

 

――「医療・介護・福祉の境界のない」というキーワードが気になります。どのような意図でこの言葉を掲げているのですか。

特定の分野にとどまらず、利用者様の暮らしを力強く支えられるように、という想いが背景にあります。

医師である理事長の清水隆一(しみず りゅういち)は、自宅往診で地域の患者様を支えています。県内といえども長野は広いので距離もありますし、難病を抱え寝たきり状態の方はそもそもかかりつけの病院まで通うこともできない……。そういった人や地域を強く支えたい、というのが理事長の想いなんです。

 

 

元々アムールは介護事業を中心に展開していましたが、介護の領域だけでは制度や仕組み上できることに限界がありました。医療対応が必要となる場合は外部の病院へつなぐ必要があり、利用者様の社会参加など福祉領域へのフォローも難しい。利用者様の希望や状況に応じて漏れなくサポートするためには、法人内にさまざまな分野の機能を内包する必要があったんです。

 

――利用者に寄り添った事業展開を進めておられるのですね。とはいえ、異分野にまたがる事業展開は簡単なことではないと思うのですが、どのように実現されているのですか。

看護師やリハビリ職員など、施設内で勤務する医療職員数を増やすことで医療分野はカバーしています。また、福祉分野においては既存の介護職員が外部で研修を受け、資格取得を行うことで知見の拡大を行っています。

元々は介護のみに携わっていた職員も、アムールに加わってから障害福祉や社会参加サポートなどの新たな分野に興味を持つようになった方が多いんです。そのため、専門領域を広げて活躍していただいています。

 

――他法人には類を見ない強みですね。職員全員に浸透している、仕事に対する姿勢や想いなどがあれば教えてください。

理事長は「親切し放題」を実行するようよく口にしていて、その価値観は職員全員に浸透しているのではないかと思っています。自分が「良かれ」と思うことは、迷いなく行って利用者様をサポートするようにと。

実際のところ、多くの介護施設は「全員ができないことはしない」よう、マニュアル通りに行動することを方針にする場合が多いです。でもアムールはその反対で、善意を持って実践したことに対して否定することはありませんし、むしろ積極的に推奨しています。

職員の「良かれ」に制限なく、全員が心地よく働ける環境づくりという観点からしても、先ほどお話した領域の制限を解くことが役立っているかもしれません。

 

――これまで特定の領域を専門にされてきた方にとっても、アムールなら他では経験できない幅広い仕事に挑戦できるかもしれない!と魅力を感じていただけそうですね。

 

挫折から始まった介護の道。自信をなくしていた自分を拾ってくれたアムール

 

――村山さんご自身のご経歴について、伺ってよろしいでしょうか。

最初は派遣社員としてアムールで働き始め、2年後には直接雇用をしていただき、現在は理事と人事部長を兼務しています。

私は実は、元々介護とは異なる業種で仕事をしていたんですよ。大学時代に陸上をやっていた関係で、元々は山梨県でフィジカルトレーナーとして働いていたんです。しかし両親の体調悪化のため、長野へ里帰りせざるを得なくなりました。同じ道で転職活動をしたのですが、当時は長野県内にスポーツ関係で食べていけそうな仕事が見つからず……。偶然見つけたリハビリ助手の求人をきっかけに、この世界に足を踏み入れたんです。

やりたかった仕事を手放す選択をしたので、正直に言うと当時は一種の挫折感も抱いていました。気持ちに折り合いがつかず、必要な資格を取得して一度整形外科に転職するのですが、労働環境の過酷さに再び離職……。なかなか前向きになれずに自信をなくし、「この腰抜け野郎!」と自分を責め続ける日々でした。

 

――介護の仕事を始めた当初は、後ろ向きな想いを抱いていらっしゃったのですね。現在はアムールを支える存在となられていますが、気持ちの転換点が訪れたのはいつでしょうか。

アムールに入職したのが大きな転換点です。派遣会社からの紹介がきっかけで入職に至ったので偶然のご縁ではあるのですが、純粋に「親切し放題」という考え方に共感し、ここで長く働きたいと感じるようになりました。自信をなくしていた自分を拾ってもらった恩は、今も強く感じています。

 

 

――素敵な出会いがあったのですね。村山さんが働くうえで、大切にしている価値観を教えてください。

「自分一人では、何も成し遂げられない。でも誰かの力を借りれば、どんなことでも成し遂げられる」ということです。アムールに来てからは、つねに人への感謝を忘れぬよう胸に刻んでいます。

人事部長という立場上、求職者の方には必ずお会いする機会を設けています。そこでも必要以上に大きく見せるのではなく、アムールが目指す未来を説明したうえで「その実現のためにあなたの力を貸してほしい」とお伝えしています。

お互いがお互いを必要としあって、支え合いながら働く。私を含め、アムールにはそのような風土が培われていると思っています。

 

看護師・リハビリ職も専門性を活かせる!得意を伸ばし、不得意はフォローし合う職場

 

――アムールで働くやりがいや、仕事の面白みを教えてください。

人から感謝されながら、頑張った分だけ報酬となって返ってくるというのは、この仕事の大きなやりがいです。また、ともに働く職員の間でも感謝の文化が根付いているので、仲間に認められる実感は仕事のモチベーションにつながります。人のために動いて汗をかき、人の喜びを自分の喜びのように感じられる方にとっては天職だと思いますね。

「この人のために動きたい」という想いが仕事と密接に結びついています。仕事で褒められると一個人として尊重されていると感じ、それが働く喜びに直結するのかなと。

 

――一個人として尊重される職場にいたら、活躍する意欲がどんどん湧いてきそうですね。

一人一人が活躍する職場づくりは、特に意識している点でもあります。看護師や理学療法士・作業療法士などの専門職の方の場合、せっかく介護の現場に加わっても、ご自身の専門分野を発揮できずに医療現場に戻ることがよくあるそうです。そこでアムールは、個人の専門性を大いに発揮していただき、得意分野で活躍していただくよう働きかけています。

リハビリ職の方であれば利用者様の身体的回復に全力で注力していただきますし、看護師の方であれば医療ケアに専念していただき、最期のお看取りまでお任せします。不得意なことは他の仲間がフォローし、得意なことを伸ばして活躍していただく。職員には少しでも心地よく働いてもらえるように環境を整えています。

 

 

――今後、組織として伸びしろがありそうだと感じるポイントはありますか。

これはアムールに限らず、介護業界全体で感じることではありますが、体力的にキツい割に収入が伴わないイメージを抱く方も多いのではないかと思っています。異業種と比較しても、給与面はまだ伸びしろがあると思っていますが、近年は社会的な動きも手伝って改善傾向にあります。

実際アムールでも、自家用車を購入して家庭を持ち、お子さんを設けている職員もたくさんいますし、私もその一人です。事業所も多いので施設間の移動もしやすいですし、ダブルワーク制度もあるので、ご自身にあった働き方を見つけやすい環境かと思います。

介護の世界で将来設計をどう描くか、不安に感じる方もいるかもしれませんが、決して希望のない環境ではないと思っているので、思い込みでキャリアの選択肢からすぐ外してしまわず、ぜひ一度話を聞きにきていただければと思っています。

 

世代を超えたアットホームな交流があたたかい。「良かれ」を尽くす新たな仲間を募集中!

――職場の雰囲気を教えてください。

さまざまな世代の職員が一緒に働いていますが、アットホームでコミュニケーションも活発に取られていると思います。また、資格取得の状況もさまざま。国家資格となる介護福祉士まで取得している職員もいれば、無資格の方も歓迎しているので、多様なメンバーが現場を支えてくださっています。

介護業界の人材不足が社会的にも大きく取り上げられるようになり、山ほどある介護施設の中でアムールを選んでいただいているわけですから、現場でも新メンバーを歓迎し、新たなご縁に感謝する空気は根付いています。

 

――さまざまな世代や経験値の職員がスムーズに連携するために、何か工夫していることはありますか。

具体的な現場改善でいえば、3年前から介護記録の様式を手書きからタブレット入力に切り替えました。手書きでの記録は業務負荷がかなり重く、複数の記録帳に複写することも多々あったため、アナログからデジタルに切り替えたんです。

 

 

年配の職員には、電子機器の利用に慣れていない方も多く最初は大変だったようですが、若手職員からの手厚いフォローで現在は格段に業務効率化が進んでいます。業務改善はもちろんのこと、こうした些細なコミュニケーション機会があることで、世代を超えた連携が自然と取れるようになっているんです。

今後も業務改善には積極的に取り組み、アムールらしいあたたかな空気感も維持できるように組織として努めていきます。

 

――最後に、読者へ向けてメッセージをお願いします!

介護はこの先もきっとなくなることのない仕事です。現場には70代でも活躍されている職員もおり、何歳になっても輝ける職場だと思っています。

人は皆、支え合いながら生きていくもの。元気なまま人生を終える人はおらず、利用者様の生活を支えながら感謝され、やりがいを感じられます。

特に私たちアムールは、職員の「良かれ」を全面的に尊重する組織ですので、私たちの考え方に共感してくださった方はぜひ、仲間になっていただきたいと思います。

 

(取材:大久保 崇・執筆:神田 佳恵

 

社会福祉法人 アムールの詳細・採用情報はこちらから

ホームページ:https://www.amour.or.jp/

採用情報:https://hr-hacker.com/danke

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