技術を磨き、人を育てる。エムシーサービスが追求する医療機器メンテナンスの未来

レッド

written by 大西マリコ

全国に点在する少人数の拠点で、医療機器のメンテナンスを支えるエムシーサービス株式会社。各種医療機器の設置から修理、予防保守まで、医療現場に欠かせない機器の安定稼働をトータルでサポートする技術集団です。 

そんなエムシーサービスで21歳から25年以上キャリアを重ね、現在は取締役として活躍する曽我部さん。工業系の経験がないところからスタートし、メーカーにも負けない技術力を身につけ、今では後進の育成にも力を注いでいます。 

「お客様と一緒に最適な管理方法を考えていく」という独自の強みを築き上げてきた曽我部さんに、技術者としての成長とエムシーサービスの魅力について語っていただきました。 

曽我部 純一さん

曽我部 純一さん

エムシーサービス株式会社取締役、フィールドエンジニア。北九州サービスセンター所属(福岡県北九州市小倉南区)。1998年、エムシーサービスに入社。事務機器関連の仕事から転職し、未経験から医療機器メンテナンスの技術を習得。現場での豊富な経験を活かし、2023年より取締役に就任。現在も現場作業と若手育成に携わりながら、経営の視点も持って事業の発展に貢献している。

未経験からの挑戦、そして経営へ 

――まずは、エムシーサービスに入社されたきっかけを教えてください。 

元々は事務機器関連の会社で、仕入れや納品、軽微な消耗品交換などの業務を担当していました。その仕事にも一定のやりがいはありましたが、完全な達成感が得られずにいたときに、知人から医療機器のメンテナンス業務の話を紹介されました。 

私は工業系の学校出身ではなく、技術的な経験も全くありませんでした。でも、新しい技術で仕事をしていきたいという思いがあり、「ゼロからでもしっかり教育して育てる」という会社の言葉に惹かれて、21歳で思い切って挑戦することを決めました。 

 

――入社後はどのような経験を積まれてきたのでしょうか? 

最初の2年ほどは本当に大変でした。事務機器は電気だけで動く機械でしたが、エムシーサービスで扱う医療機器は、水や蒸気、電気など、あらゆる要素を含む複雑な設備機器。入社して半年から1年、2年くらいは、自分が何をやっているのか、うまく結びつかないという状態が続きました。 

一つ一つの作業は点として覚えられても、全体がどうつながっているのか実感できない。それでも先輩方のサポートを受けながら必死で学び続けました。すると3年目くらいから、それまでバラバラだった知識がつながり始め、視野が大きく広がっていったんです。 

 

――現在は取締役として経営にも携わっていらっしゃいますが、現場の第一線でも活躍されているそうですね。具体的にはどのような業務をされているのでしょうか? 

私は業務の半分は現場作業を行い、もう半分は経営的な部分に携わっています。

基本的には西日本での営業活動が中心となりますが、各地の拠点を訪問し、現場の状況確認や現場業務支援等で若手への教育サポートを行うことが主な役割です。 

 

――経営と現場、両方の視点を持つことの意義について教えていただけますか? 

それは当社の「全員経営」という考え方に関係しています。全国各地に2~3名のサービスマンで構成される拠点があり、それぞれが経営的な視点を持って主体的に動いています。 

各拠点のセンター長は、次年度の経営計画を立て、その実行計画を全社で共有します。新人は最初、技術習得に専念しますが、徐々に経営的な視点も身につけていきます。一人ひとりが経営者の目線を持ちながら、お客様と向き合う。そのためにも、経営層である私たちが現場を理解し、現場の声に耳を傾けることが重要なんです。 

 

フィールドエンジニアという仕事の魅力 

――フィールドエンジニアという職種の特徴を教えてください。 

私たちの仕事は、機器の予防保守から事後補修、定期点検、消耗品の販売まで多岐にわたります。特徴的なのは、お客様が病院であったりメーカーであったりと、多種多様な依頼先があることです。 

それぞれのお客様のニーズに応じて、メーカーが望む保守点検や、ユーザーが望む費用も含めた管理など、柔軟な対応が求められます。私たちは単なる修理屋ではなく、お客様と一緒に機器の運用を考えていくパートナーを目指しています。 

 

――フィールドエンジニアとして働く魅力を、ご自身の経験を交えて教えていただけますか?特に印象に残っているエピソードがあればお聞きしたいです。 

機器が故障して稼働が止まってしまった際など、お客様は困った状況で私たちを呼んでくださいます。そんなとき、最善を尽くして修理を完了させ、「早く来てくれてありがとう」「助かった」という感謝の言葉をいただけること。

そして、私たちの仕事の対価として提示した価格にも納得していただけること。その両方が合致したときに、自分たちの存在価値を実感できます。 

 

でも、私たちが目指しているのはそれだけではありません。故障したら直す、それは当たり前のこと。その先に、どうすれば故障を未然に防げるか、どうすれば効率的な運用ができるか、そこまでお客様と一緒に考えていく。そういう提案ができる技術者を目指しています。 

 

成長を支える教育体制 

――技術者を育てることに特別な思いを持っていらっしゃるように感じましたが、具体的にどのような教育体制を整えていらっしゃるのでしょうか? 

本社での集合研修に加えて、長野県上田市にある滅菌センターでの技術研修、そして現場での実践的なOJTを組み合わせています。 

教育のステップとしては、まず機械を修理して元の状態に戻す技術を習得します。それができるようになったら、故障を未然に防ぐための点検業務を学び、安定した稼働を提案できるようになっていきます。さらにその先で、お客様が機器をどのように活用したいのかを一緒に考え、提案できる技術者を目指していきます。 

 

――若手の育成で特に心がけていることはありますか? 

できるだけ指示するだけではなく、自分で考える機会を作るようにしています。考えた上で報告してもらい、それに対して指導するという形を心がけています。単に指示命令で決まった業務をこなすだけでは考える力が育ちません。 

たとえ間違っていても、後で振り返ったときにその経験が勉強になります。ただし、完全に放置するのではなく、特に最初のうちは一歩一歩確認しながら進めています。 

 

医療機器メンテナンス業界の未来 

――医療機器業界全体では様々な課題もあるかと思いますが、エムシーサービスではどのように対応されているのでしょうか? 

確かに病院の統合などで大きな病院の機器が減少したり、機器の更新が進まないといった状況もあります。しかし、私たちは一つの機器だけをメンテナンスするのではなく、「ワンストップメンテナンス」という考え方で事業を展開しています。 

病院だけでなく診療所やクリニックも含め、小型の機器から大型の機器まで幅広く対応することで、シェアを広げていく余地は十分にあると考えています。 

 

――御社ならではの強みを活かした展開についても聞かせてください。 

医療機器の修理業者は多くありますが、設備機器も含めて大型から小型まで幅広く展開している会社は、そう多くはありません。他社は特定の分野に特化していることが多いのですが、私たちは培った技術を活かして幅広い領域に対応できることが強みです。 

 

未来の仲間へのメッセージ 

――どのような方に向いている職種だとお考えですか? 

人と接することが得意な方、自分から物事を発信していきたいタイプの方に向いていると思います。ただし、それが不得意でも、そういう方向に成長したいという意志があれば十分です。 

技術的なことは何度も繰り返せば必ず身につきます。それより大切なのは、どうなっていきたいかという気持ちです。手先が器用かどうかよりも、前向きな気持ちを持って仕事に取り組める方を歓迎します。 

 

――最後に、入社を考えている方へメッセージをお願いします。 

最初は誰もが不安を感じると思います。私自身、技術の言葉も分からず、工具の名前も覚えられない時期がありました。でも、技術は必ず身につきます。それより大切なのは、向上心を持ち続けることです。 

お客様の要望に応え、提案できる技術者になりたいという気持ちがあれば、私たちがしっかりとサポートします。ぜひ一緒に、医療現場を支える技術者として成長していきましょう。 

 

エムシーサービス株式会社の詳細・採用情報はこちらから 

ホームページ:https://www.mcservice-osm.co.jp/

採用情報:https://www.mcservice-osm.co.jp/recruit.php 

 

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